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集積の経済学

都市、産業立地、グローバル化

著:藤田 昌久
著:ジャック・F・ティス
訳:徳永 澄憲

紙版

内容紹介

近年における交通費と通信費の劇的な低下は、経済活動における距離や立地の重要性を死滅させたわけではない。世界はフラットになったわけではなく、むしろ、交通費や通信費の低下によって新たに顕在化された新しい「力」によって、経済活動は場所や地域、国家といった地理的広がりにますます不均等に分布するようになった。
本書は、こうした交通費と通信費の大きな低下によって顕在化された新しい力の方向性、なかでも高い生産性を持った現在の大都市を出現させた力について、その活動の集積を生み出すメカニズムを明らかにするものである。
本書の最大の特徴は、都市・地域経済学の古典的な基本文献から最近著しい発展を見せている「空間経済学」の最新の研究成果までを踏まえて、様々な空間的規模における経済集積の出現と経済効果を統一的なミクロ経済モデルによって分析し、かつわかりやすく説明している点にある。

目次

 日本語版への原著者序文
 第2版への序文
 謝辞
 第1章 集積と経済理論
第1部 空間経済学の基礎
 第2章 空間経済における価格メカニズムの崩壊
 第3章 チューネン・モデルと地代形成
 第4章 収穫逓増と輸送費:空間経済における基本的なトレードオフ
 第5章 都市と公共部門
第2部 大都市圏の構造
 第6章 コミュニケーションの外部性の下での都市空間構造
 第7章 不完全競争下での都心の形成
第3部 要素移動と産業立地 
 第8章 独占的競争下の産業集積
 第9章 市場規模と産業クラスター
第4部 都市システム、地域成長、および企業の多国籍化
 第10章 フォン・チューネンへの回帰:空間経済における都市の出現
 第11章 グローバル化、成長、およびサプライチェーンのフラグメンテーション
参考文献
訳者あとがき
索引

著者略歴

著:藤田 昌久
藤田 昌久(フジタ マサヒサ)
ペンシルベニア大学経済学部教授、京都大学経済研究所特任教授、甲南大学教授、経済産業研究所所長などを歴任。
主著に、Spatial Development Planning,North-Holland,1978 ; Urban Economic Theory, Cambridge University Press, 1989(小出博之訳『都市空間の経済学』東洋経済新報社、1991年)、The Spatial Economy,1999,co-authored with Paul Krugman and A. J. Venables(小出博之訳『空間経済学』東洋経済新報社、2000年)。
著:ジャック・F・ティス
ジャック・F・ティス
ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)教授、ロシア国立研究大学高等経済学院教授。
主著に、Discrete Choice Theory of Product Differentiation(1992; co-authored with S. P. Anderson and A. de Palma), Economic Geography(2008; co-authored with P.-P. Combes and T. Mayer)。
訳:徳永 澄憲
徳永 澄憲(トクナガ スミノリ)
現職 麗澤大学大学院経済研究科・経済学部教授、筑波大学名誉教授。
1952年 愛媛県に生まれる。1982年 筑波大学大学院社会科学研究科修了、1992年ペンシルベニア大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。

ISBN:9784492314937
出版社:東洋経済新報社
判型:A5
ページ数:594ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2017年02月
発売日:2017年01月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCZ