一枚ポートフォリオ評価論OPPAでつくる授業 小学校編
監:堀哲夫
編著:中島雅子
内容紹介
いま注目の非認知能力も見取れるOPPAの実践集第2弾!
本書の概要
一枚ポートフォリオ評価(OPPA)とは、OPPシートに記述した学習履歴を通して子ども が自己評価を行い、それを教師が見取って授業改善に生かすという評価法。大好評の前作 に続き、第2弾は小学校での実践12例を掲載。各教科や学級経営、教育実習生の指導など 、OPPAの幅広い活用を紹介する。さらに、いま注目の非認知能力やメタ認知能力の可視 化および育成との深い関わりについても徹底解説した一冊。
本書からわかること
OPPシートに組み込まれた「問い」の機能
OPPシートの構成要素には、以下のような「問い」が組み込まれています。
・学習前後の「本質的な問い」
・学習履歴における「問い」
・自己評価における「問い」
OPPシートには「本質的な問い」が設定され、子どもは学習前後にこの「問い」に答えま す。毎時間の終了後には「今日の授業で一番大切なこと」を問われ、これが学習履歴にお ける「問い」として機能します。さらに、学習後には全体を振り返り、学習を通した変容 などを問われ、これが自己評価における「問い」となるのです。
本書では、子どもの資質・能力の育成およびその見取りにつながる「問い」の機能につい て、詳しく解説しています。
非認知能力やメタ認知能力も可視化するOPPシート
OPPAが育成する資質・能力には、認知能力だけではなく、非認知能力やメタ認知能力も 含まれます。これらはノートやワークシートにはなかなか表れないものですが、OPPシー トにはそれらを可視化させる仕掛けがあるのです。本書では、みずほリサーチ&テクノロ ジーズとの共同研究である「OPPシートを活用した非認知能力の推定・分析」の最新知見 も紹介し、OPPA論のメカニズムやさらなる可能性を示しています。
子どもと教師を幸せにする実践12例を紹介
校種・教科問わずに使えるOPPシートですが、本書には小学校の国語科・算数科・理科・生活科・体育科・書写、さらに学級経営や教育実習生の指導実践例も掲載しています。1~6年生まで、どの発達の段階においても使えるのがOPPAの強み。入学して約2か月の1年生が自らの学びを調整している姿を見取ることのできた実践例も紹介しています。本書では、OPPシートのテンプレートをダウンロードできるので、ぜひ活用してみてください。
目次
監修にあたって
はじめに
第1章 理論編
1 OPPA論は「問い」が命
2 小学校でOPPAを使うと何ができるのか
3 いま注目の非認知能力とは-OPPA論の可能性-
第2章 実践編
1 学びに向かう力:児童の言葉の意味を読み取る工夫-素直な喜びが教師の活力に- 1年生活
2 学びに向かう力:命は、なぜ大切なのか-あなたならどう答える?- 5年理科
3 自己調整学習:1年生が実感する成長の喜び-OPPシートで見取る音読の工夫- 1年国語
4 自己調整学習:整った文字って何だろう?-めあて達成に向けたOPPシートの活用- 5年書写
5 自己調整学習:自分の課題を追究する「学びのストーリー」-できる楽しさを実感する授業- 6年体育
6 パフォーマンス課題:長さって何?-1年生だって、自分でできるもん!- 1年算数
7 授業改善:「書けない」児童が教えてくれたこと-OPPシートだから見取ることができた児童の実態- 3年理科
8 授業改善:「教師主体」から「学習者主体」へ-見えない頭の中を可視化- 4年算数
9 授業改善:児童自身が「気付きの質」を高める授業-学びを言語化するOPPシート- 1年体育
10 単元のつながり:生きるとはどういうことか-単元を超えて、児童に自分に問い続ける- 6年理科
11 学級経営:学級目標と向き合う児童の姿-OPPシートは学級経営の強い味方- 2年
12 教員養成:OPPシートで教育実習生の指導-経験が浅くても伝えられる教師の魅力- 教育実習
付録 OPPシートのテンプレート2種
おわりに