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知的障害教育における「個別最適な学び」と「協働的な学び」

著:名古屋恒彦

紙版

内容紹介

本書の概要
知的障害教育における「個別最適な学び」と「協働的な学び」とは何か。知的障害教育の実践史をふまえつつ中教審答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」を読み解き,今後の実践に生かすためのポイントを提案する。

本書からわかること
「令和の日本型学校教育」と知的障害教育
2021年1月に中教審から「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」が答申されました。
本書では,ここで示された「個別最適な学び」と「協働的な学び」を,知的障害教育においてどのように実現していくか提案します。

教育目標「自立」から考える「個別最適な学び」「協働的な学び」

知的障害教育は,一貫して「自立」を教育目標としてきました。また,子ども一人ひとりに合わせて,生きる力を養う教育を展開してきました。
このことは,知的障害教育の歴史的発展過程で「個別最適な学び」「協働的な学び」の多様で豊かな蓄積があることを示しています。

本書の構成
まずI章では「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」が示す内容を読み解いていきます。
続いてII章とIII章では,知的障害教育における「学校生活の集団化と個別化」をめぐる議論をもとに「個別最適な学び」と「協働的な学び」の在り方を検討します。
IV章では,教育目標「自立」から方法論としての「個別最適な学び」と「協働的な学び」を考察します。
V章では,個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する授業づくりの実際を具体的に提案していきます。
そして最後のVI章で,今後の課題を検討し,望ましい方向性を展望します。

こんな人におすすめ
知的障害教育という観点からの「個別最適な学び」と「協働的な学び」について知りたい先生方や,「個別指導」と「集団指導」,また教育目標「自立」との関係について考えたい先生方にはきっとお役に立てる1冊です。

目次

まえがき

Ⅰ 「個別最適な学び」「協働的な学び」とは~「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」を読む~
 一 「令和の日本型学校教育」のキーワードとしての「個別最適な学び」「協働的な学び」
 二 「個別最適な学び」とは
 三 「協働的な学び」とは
 四 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実
 五 令和答申における特別支援教育に関する記述

Ⅱ 知的障害教育の歴史から考える「個別最適な学び」と「協働的な学び」
 一 歴史から考える意義
 二 戦前の知的障害教育における「個別」「集団」
 三 戦後の知的障害教育における「個別」「集団」
 四 歴史から見る「個別」「集団」の今日的意義

Ⅲ 「学校生活の集団化と個別化」から考える「個別最適な学び」と「協働的な学び」
 一 生活主義教育が考える「個別」「集団」
 二 活動の個別化と集団化
 三 「できる状況づくり」と個別化、集団化
 四 「学校生活の集団化と個別化」
 五 「学校生活の集団化と個別化」の意義

Ⅳ 教育目標「自立」から考える「個別最適な学び」と「協働的な学び」
 一 教育目標の理解を深める必要性
 二 教育目標「自立」の変遷と本質
 三 自立の本質の具体化と「個別最適な学び」「協働的な学び」

Ⅴ 「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する授業づくり
 一 テーマのある生活に仲間と共に
 二 「個別最適な学び」「協働的な学び」を実現するテーマと活動
 三 「個別最適な学び」「協働的な学び」を実現する教材・教具、場の設定
 四 教師も共に活動する「個別最適な学び」「協働的な学び」

Ⅵ 「個別最適な学び」と「協働的な学び」のこれから
 一 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体化を再考する
 二 教育目標「自立」に立ち続ける

あとがき

著者略歴

著:名古屋恒彦
植草学園大学教授
1966年生まれ。千葉大学卒業、千葉大学大学院修士課程修了。博士(学校教育学、兵庫教育大学)。千葉大学教育学部附属養護学校教諭、植草学園短期大学講師、岩手大学講師、助教授・准教授、教授を経て、現職。全日本特別支援教育研究連盟副理事長、日本発達障害学会理事・『発達障害研究』編集委員
『「各教科等を合わせた指導」エッセンシャルブック』(ジアース教育新社、2019年)、『「各教科等を合わせた指導」と教科の考え方』(教育出版、2022年)、『「各教科等を合わせた指導」Q&A』(東洋館出版社、2022年)等、著書多数

ISBN:9784491050423
出版社:東洋館出版社
判型:4-6
ページ数:184ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNS