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サラゴサ手稿 上

著:ヤン・ポトツキ
訳:工藤 幸雄

紙版

内容紹介

真正完全版では削除された逸話も多く、
物語の配列も大きく異なる真贋入り交じった妖しい世界

多くの異本や剽窃本が存在する
『サラゴサ手稿』だが、21世紀に入り、
真正版が特定されるに至った。
本書は、それまで最も信頼されていた版の
工藤幸雄による全訳である。

ポーランド貴族ポトツキが病床の妻のために読み切ってしまった『千一夜物語』の代わりに、毎日一話ずつ書きつづったのが本作ともいわれるが、いくつもの異本が存在し、謎に満ちた存在でもあった。近年その完全版がフランスで刊行され、岩波文庫に収録されたが、本書はその完全版刊行以前の、完全版とも異なる逸話も多く含む版の工藤幸雄全訳。

著者略歴

著:ヤン・ポトツキ
ヤン・ポトツキ
1761年、現ウクライナ領ピクフでポーランドの大貴族の家に生まれる。作家、旅行家、歴史家、考古学者、民族学者。家庭ではフランス語で育てられ、生活語としてポーランド語、ウクライナ語、ドイツ語の他に、弟とともに送られたスイスの塾で、英語も身につけ、さらに成年までにロシア語、スペイン語、イタリア語も習得、八か国語に通じていた。『サラゴサ手稿』はポーランド語より通じていたフランス語で書かれたものである。1815年、自宅でピストル自殺を遂げた。
訳:工藤 幸雄
工藤 幸雄
1925年、大連生まれ。ロシア・ポーランド文学者、詩人、翻訳家。東京大学仏文科卒業。アメリカのインディアナ大学大学院修士課程中退後、共同通信社外信部記者、ワルシャワ大学日本学科講師を経て、1975年に帰国。多摩美術大学教授となる。訳書に『ブルーノ・シュルツ全集』(第50回読売文学賞〈研究・翻訳賞〉受賞)、W・ゴンブロヴィッチ、I・B・シンガー、C・ミウォシュ、M・パヴィチ等、訳書多数。著書に『ワルシャワの七年』『ぼくの翻訳人生』等がある。2008年没。

ISBN:9784488070595
出版社:東京創元社
判型:文庫
ページ数:400ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2024年05月
発売日:2024年05月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB