本書は、吃音のある英国人女性による自叙伝(メモワール)です。
吃り始めた7歳のころから、米国に渡って、吃音とともに生きることを受け入れる20代後半までの過程が、生き生きとした筆致で描かれています。
そのような著者自身の物語を基軸としながら、同時に、数多くの吃音当事者とその家族、専門家、スピーチセラピストへのインタビューをはじめ、米国における吃音研究の現況、治療法の歴史、映画『英国王のスピーチ』評などといった記述が組み込まれ、吃音という問題を主観と客観両方の目をもって多角的に見つめた作品となっています。