【目次構成】
序 章 混同されている「対話」・「会話」・「議論」
会話・議論・討論・対話/「対話」と「問答」/本書の構成
第1章 対話ができない日本人
1 繰り返される対話不全のミーティング
日本に会議室はどのくらいあるのか/「対話」のない会議/トップが会議を支配する「パワープレイ」/「集団極性化」という最悪の選択/「対話」のないミーティング/「承認欲求」と「聞く耳持たない症候群」/座席表でわかる「ダメな会議」/対話不全の会議になってしまう5つの理由/よくありがちなミーティング/会話」ではなく「対話」を/豊かな言葉のやり取りが対話力を生み出す
2 対話不全の世界が広がる
「対話」からはほど遠い日本社会/ハイコンテクスト社会と対話を回避する風潮/受験病による対話不全/「和の精神」が対話を封じている/日本人は「対話」を必要としてこなかった/インターネットやSNSがもたらす対話不全/グローバル化の中の「対話不全
第2章 対話力を高める
1 対話とは何だろうか
高まる「対話」への関心/「対話」とは何か/哲学的対話論と実践的対話論
2 哲学的対話論
(1)哲学対話
「考える」ことにより「自由」になる/哲学対話のルール/「哲学対話」の場づくりとコミュニティボール/コミュニティボールの使い方
(2)ボームの対話論
ダイアローグとディスカッションの違い/「対話」の目的/「必要性」から生まれる衝動/「想定」と「意見」を保留状態にする/「対話」の原則
(3)対話とは全裸の格闘技である
日本には〈対話〉がない/「言葉」という武器で戦う
3 実践的対話論
(1)「オープンダイアローグ」と「パターン・ランゲージ」
対話力を高めるためのふたつの方法の組み合わせ/体験している世界・多様な声・新たな理解
(2)組織の意思決定に「対話」を活かす
21世紀の組織は「水の流れ/個人のリーダーシップから「リレーショナル・リーダーシップ」へ
4 「対話」の位置づけ
「対話」とグループダイナミクス(「集団力学」)/「対話」を行ううえでの3つの注意事項
第3章 対話力を活かす
1 組織の中での意思決定と対話の重要性
組織とは何だろうか/組織における意思決定/リーダーとリーダーシップ/時代の変化と日本社会の対応/「適応課題」とアダプティブ・リーダーシップ/日常的にさまざまな意思決定が行われている/「対話」とグループダイナミクス/キューバ危機の勃発/ケネディ大統領のリーダーシップ/エクス・コムでの「対話」/オバマ大統領の「ビン・ラーディン計画」/「要塞」の住人を特定するための37通りの方法/「要塞」にどのように潜入するか?/複数の案を検討させ、想定外を減らした
2 組織の中での対話とSPICEアプローチ
(1)なぜ、グループダイナミクス(集団力学)が働かないのか?
よくある「リスク対策会議」/リスクのイメージが共有されていない/問題のあるクライシス会議/サイバーセキュリティと企業の対応
(2)SPICE(スパイス)アプローチ
グループダイナミクス(集団力学)を働かせるための5つのポイント/状況把握・利害関係者分析 (シチュエーション・ステークホルダー・アナリシスSituation, Stakeholder Analysis)/視点獲得(パースペクティブ・テイキング Perspective taking)/「課題」設定のポイントとなる視点獲得/課題を設定するための方法(イシュー・メイキング Issue Making)/さまざまなバイアスと「バレットタイム思考法」/因果関係と相関関係の違いを明確にすること/課題をどうつくるか/新型コロナ問題と専門家会議/「課題」の見つけ方/売り上げが当初見込みを下回った原因は?/「課題」解決のための選択肢を用意する(クリエーティヴ・オプション Creative options)/アンチプロブレムを活用する/4つ以上の解決策を策定する/評価と意思決定 (エヴァリュエーション・アンド・デシジョン・メイキング Evaluation and Decision Making)/より良い決断のための留意事項/「悪魔の代弁者」の役割/まとめ―SPICEアプローチ/図解―SPICEアプローチ