序 文
第一章 太陽崇拝と日本文明
一 はじめに
二 ストーンヘンジ
ストーンヘンジの建造物
埋葬された人々
ダーリントンウォールズ
中心的な存在
建設の目的
周期的時間を示す他の遺跡
全体を統合する宇宙観
三 日本における冬至の伝統
アマテラスの石屋戸隠れ
大歳の客の正体
太陽と縄文時代
正月と新嘗・大嘗
ングニ人の初穂の儀礼
エシュワマと王権
エシュワマと月
即位儀礼としての大嘗祭
四 日本文明の基本システム
霊威を受け継ぐ者としての王
基本的な傾向
中空構造
判官びいきと怨霊
義理
曖昧さ
五 まとめ
参考文献
コラム【王権と暦①】春耕秋収を計りて年紀となす
第二章 大嘗祭のコスモロジー ―王権の比較文明学に向けて
一 人心の収攬
二 生命の永遠
三 太陽の子
四 降臨する神
五 太陽と稲と天皇と
六 王権の比較文明へ
参考文献
第三章 王権の起源神話と儀礼の構造 ―日本とアンデス文明の比較を通して
一 はじめに ―文明と国家、そして王権
二 日本の王権起源神話
天孫降臨
天孫降臨の前後―天の安の河の誓約と日向三代
三 インカの王権起源神話
太陽神に遣わされた最初の王
もう一つのインカ王権神話とペルー北海岸の王権神話
四 王権の中心性と周縁性―その神話的表象を巡って
五 即位儀礼と冬至の儀礼
大嘗祭と新嘗祭
インカの即位儀礼と冬至の儀礼
六 おわりに―日本文明とアンデス文明の類似性から見えてくるもの
参考文献
第四章 マヤ神話『ポポル・ヴフ』と『古事記』に描かれた支配の正統性
一 はじめに
二 マヤ文明
三 『ポポル・ヴフ』の概要
(一) 世界の創造と双子の兄弟
(二) フン・フナフプー兄弟とシバルバー
(三) フン・アフプー兄弟とシバルバー
(四) 最初の人間の創造とキチェー族の守護神
(五) 太陽の出現と神々への供犠
(六) 王の叙任、キチェーの二四家
四 『ポポル・ヴフ』に見られる秩序の構築
ヴクブ・カキシュ親子退治譚―「偽」の太陽と「真」の太陽
二世代の双子とシバルバー
五 『古事記』に見られる秩序の構築
三種の神器
アマテラスとスサノヲ
大国主神と根堅洲國
大山津見神(オホヤマツミノカミ)とその子孫たち
綿津見神(ワタツミノカミ)とホヲリノミコト
六 おわりに―支配の正統性を紡ぎだす反秩序的存在および女性の役割
参考文献
第五章 中華文明と日本の天皇について―王から天皇へ
はじめに
一 シンポジウム報告の一―三皇、天皇大帝について
報告一の付論
二 シンポジウム報告の二―漢委奴国王、親魏倭王について
報告二の付論
三 シンポジウム報告の三―好太王、倭の五王について
報告三の付論
四 シンポジウム報告の四―中国皇帝への臣称について
報告四の付論
五 シンポジウム報告五―天皇号の出現について
報告五の付論
六 シンポジウム報告の六―僭帝について
報告の六の付論
七 シンポジウム報告の七―中国と日本の即位儀礼について
報告七の付論
むすびにかえて
参考文献
コラム【王権と暦②】「大宝」の発見
コラム【王権と暦③】暦を掌握できず非業の死を遂げた権力者―将門と信長
平将門 織田信長 権力者に立ちふさがる暦
第六章 天皇の公的行為に関する憲法政治学的考察
はじめに
一 公的行為の事例
(一) 国会開会式の出席と「おことば」の朗読
(二) 外国公式訪問
(三) 外国元首との親書および親電の交換
(四) 外国の慶弔儀式への出席
(五) 国賓および公賓の接遇
(六) 全国巡幸
(七) 全国植樹祭、国民体育大会、戦没者追悼式など国民的式典・大会の出席
(八) 正月および天皇誕生日の一般参賀
(九) 園遊会
(一〇) 歌会始の儀および講書始の儀
二 公的行為に関する政府見解
三 公的行為に関する学説
(一) 三行為説
(二) 二行為説
(三) 私見
四 象徴天皇制と天皇の公的行為
参考文献
コラム【王権と暦④】平成から令和へ―〝汽水〞と〝正月〞
汽水のような一カ月
平成から令和へ―正月のような日々
終章 天皇・王権・日本文明、そして比較文明学の試み―あとがきに代えて
一 天皇と王権―即位儀礼と神話、その基底的観念
二 王権の概念
三 王権と反秩序
四 歴史を通して見る天皇制
五 天皇制の現在
六 日本文明の特質と比較文明学の試み
参考文献
索引