はじめに iii
第I章 『養蚕秘録』と“Yo-San-Fi-Rok” 1
1.東京国立博物館のフランス語訳『養蚕秘録』 2
2.わが国技術輸出第一号 5
3.『養蚕秘録』と上垣守國 7
4.養蚕啓蒙家としての上垣守國 9
5.シーボルト 9
[1]シーボルトと日本コレクション 10
[2]ホフマン 10
[3]シーボルト事件 11
6.“Yo-San-Fi-Rok (養蚕秘録)”と 『養蚕秘録』 との比較 13
[1]『養蚕秘録』の構成と内容 13
[2]“Yo-San-Fi-Rok(養蚕秘録)” の構成と内容 17
[3]“Yo-San-Fi-Rok(養蚕秘録)”の位置づけと評価 21
7.もう一つのフランス語版『養蚕秘録』 24
[1]カション訳『養蚕秘録(サンマルスラン版)』 24
[2]サンマルスラン版『養蚕秘録』の概要 26
デローロの前書き 27
サン・マルスラン農業組合会長の序文と表紙の表示 27
日本の養蚕 29
『養蚕秘録(サンマルスラン版)』の謎 30
8.カションと栗本鋤雲 32
[1]栗本鋤雲と函館での養蚕事業 33
【コラム:博覧会の命名】 34
[2]北海道の養蚕その後 35
第II章 幕末における英仏の抗争 39
1.幕府の親フランス寄りのきっかけ 40
2.栗本鋤雲とカション 41
3.横須賀製鉄所の建設 42
【コラム:三奉行】 44
4.英仏の国産生糸を巡る争い 46
5.一八六七年のパリ万国博覧会 47
第III章 フランスでの微粒子病の猛威とパスツール 51
1.フランスの養蚕業とプロテスタント 52
[1]一八〇〇年代フランスの蚕糸業の現状 53
【コラム:J・ロスチャイルドとシャトー・ラフィット】 55
[2]養蚕地帯セヴェンヌとアレス 56
2.フランスにおける蚕種の輸入状況 57
[1]日本蚕種の輸入量と生産地域 59
[2]不良蚕種の輸出 60
3.フランスを襲った微粒子病の猛威とパスツールの蚕病予防への功績 61
[1]フランス・セヴェンヌの災害と蚕種の輸入 62
[2]パスツールとフランスの蚕病防除 64
[3]微粒子病の病原 65
【コラム:パスツールとファーブル】 66
第IV章 フランス語訳『養蚕新説』 69
1.謎の仏訳養蚕書『養蚕新説』 70
2.『養蚕新説』の著者レオン・ロニ 71
[1]ロニの生い立ち 71
[2]ロニとシーボルト、ホフマンとの出会い 72
3.『養蚕新説』の構成 74
[1]原著者シラカワの前書き 76
[2]本文 79
[3]『養蚕新説』に訳された『養蚕秘録』原本の部分とその占める割合 84
[4]ロニによる日本からの輸入蚕種についての調査報告書 87
4.『養蚕新説』のフランスでの評価 89
[1]ロニと幕府の欧遣使節団 90
[2]ロニの日本かぶれと栗本鋤雲 93
5.『養蚕新説』異本の存在 95
[1]『養蚕新説』第二版発行の動機 97
[2]『養蚕新説』第四版と他国語への翻訳 99
[3]『養蚕新説』第三版の存在 102
6.イタリア語訳『養蚕新説』 105
[1]イタリア語版『養蚕新説』翻訳者の前書き 107
[2]イタリア語版にある日本関連養蚕技術書リスト 109
7.収録図の版による変遷とその謎 110
[1]『養蚕新説』第一版の図 112
【コラム:リトグラフィ】 114
[2]『養蚕新説』第二版以降の図の特徴 115
[3]『養蚕新説』第四版の収録図 119
8.『養蚕新説』第二版の中の聖徳太子像 120
[1]聖徳太子と養蚕 120
[2]観音霊験記:西国巡礼図 122
第V章 エピローグ 『養蚕新説』の謎はどこまでわかったか? 127
a 『養蚕新説』の原本の著者 128
b 『養蚕新説』と『養蚕秘録』との関連性 130
あとがき 133
編集にあたって 135
用語解説 137