刊行にそえて 幸島司郎
この本で紹介されている国および調査地の地図
【アジア】
一 空飛ぶトカゲと森の人 田島知之
ジャングルへのあこがれ/いざ、ボルネオ、初の海外フィールドワーク/オランウータン相手の試行錯誤/私のフィールドワークから見えてきたこと/おわりに
コラム・風を食べに出かけよう-フィールド生活の息抜きについて
二 夜の熱帯雨林で見えたもの 中林 雅
動物博士への憧憬/パームシベットとの出会い/祖母との約束/はじめての長期野外研究/行く手を阻む三つの壁/シベット研究の難しさ/挫折と誓い/ふたたびダナンバレーの森へ/ドゥスン語の猛特訓/イチジクの木で待ち伏せる/殿上人ビントロングとの出会い/森の中を駆けずり回る/ようやく見えた果実食性シベットの生態/異国ですごして感じたこと/これから
コラム・フィールドワーク中、どうやって危険回避する?
三 人形(doll)でも野菜や果物の会社(dole)でもないドール(dhole)-謎多き不遇の動物と私の関係 澤栗秀太
私の生い立ち、野生動物の研究を志したきっかけ/大学院に進学してからインドでドールの調査を始めるまでの道筋/ドールの調査が教えてくれたこと、これからの調査の展望
コラム・野外調査の前には関門だらけ-海外での調査許可申請(および更新)
四 画面越しに見た野生のマレーバク-直接見られない動物の行動研究 田和優子
バクを研究したいと思うまで/まずは飼育下のバクの観察から/野生バクの生息地を見にマレーシアへ/初めてカメラトラップを使ってみた/野生のマレーバクを画面越しに観察する/最近の調査のようす/これまでに塩場で撮影された動物/野生のマレーバクの行動研究は可能か
コラム・私が使っている調査着と雨対策
五 熱帯雨林に棲むヤマアラシを探して 松川あおい
はじめに/ヤマアラシの基礎知識/とにかく現地に行って見てみないと始まらない/タビン編/セピロク編/動物も人間を見ている話/ネズミヤマアラシの追跡をとおして
コラム・夜の森でヤマアラシを探す
【アフリカ】
六 マンドリルはいずこ 本郷 峻
動物学者へのあこがれ/大学院へ/大集団の謎/研究計画/熱帯林と野生動物の国、ガボン/調査開始/最初の出会い/直接見られなくても糞分析/一人では調査できない/マンドリル捕獲作戦/作戦開始/奮闘、そして/研究の「かたち」/マンドリルの社会に「行列」から迫る/血眼になってビデオ分析/終わらない謎解きの旅
コラム・フィールド調査中の生活風景
七 キジャナとチンパンジー 松本卓也
チンパンジーとの出会い/コテコテの理系学生から、フィールドワーカーへ/長期調査地で研究を始めるということ/フィールドで科学する、じれったさ/おわりに
コラム・フィールドワーカーの七つ道具
八 ヒョウの影を追いかけて-痕跡から始める調査 仲澤伸子
この写真の中で、ヒョウはどれ?/アフリカでネコ科動物の研究がしたい/いざアフリカへ/タンザニアでの調査の開始/初めての調査へ/調査内容/初めての発見-ヒョウがヒガシチンパンジーを食べていた!/おわりに-マハレでのヒョウ研究の今後
コラム・調査地での一日
九 アフリカの珍獣ブッシュハイラックス 飯田恵理子
幼少期からアフリカにたどり着くまで/調査をはじめるまで/ハイラックスについてわかってきたこと
コラム・予防接種と薬の買い方
謝辞
著者紹介