はじめに
本書を読まれる方に
第1章 本当なのか――うつと燃え尽き症候群に関する通説
1 うつと燃え尽き症候群の原因は違う
あなたは悲観主義者、それとも完璧主義者?/「わたしはそんなにネガティブな考えの人間ではありません」/燃え尽き症候群になる人とうつになる人の違い/うつにも役割がある/どうか的を射たセラピーを/あらかじめ注意をひとつ
2 うつ病とは何か
まとめ
3 燃え尽き症候群とは何か
燃え尽き症候群には薬はいらない/燃え尽き症候群に欠けているのはワークライフバランスだけ?/心の声の仕事はあなたを守ること/まとめ
第2章 うつになる10の原因とは
原因1 ネガティブな思考と意図的な悲観論
人間が変わる理由は2つしかない/「仕方ないんです。そういうふうに育てられたんですから」
原因2 BDNFタンパク質の不足と過剰なキヌレニン
効果的な運動を/大切なのは「設計図」/キヌレニンは脳には毒になる
原因3 薬による副作用
サイロキシン/降圧薬/抗うつ薬/ホルモン補充療法/避妊薬/Lさんの場合/胃薬/喘息の薬/抗生物質/コルチゾン/てんかんの薬/その他の薬/血液脳関門を巡る問題
原因4 未検出の食物不耐性
悪者はグルテン、それともフルクタン?/数週間その食品を断てばわかる/糖分――女性より男性の方が危険/「隠れ砂糖」にご注意/小さな実験/身体と心は使い方次第で変わる/「オール・オア・ナッシング」は良くない/オメガ-3脂肪酸の秘密/乳糖と果糖――「乳と蜜の流れる場所」/アルコール/アルコールと「鶏と卵」問題/ひとまずのまとめ
原因5 ミネラル、微量元素、ビタミンの不足
ヨウ素/葉酸/亜鉛/ビタミンD3およびB12/脳研究の明るい見通し/カルシウムとマグネシウム/特殊なケース・銅/うつの引き金となるバイオマーカーは本当にないのか?/サプリメントは役に立たない/セロトニンは「幸せホルモン」?
原因6 慢性の炎症
炎症性疾患の人はうつになりやすい/抗生物質で解決することは滅多にない
原因7 SNSとスマホによる社会的行動の変化
本当に大切なものは/上手に使いこなす/共通の関心事を通して友達を見つける
原因8 放置された、あるいは不適切に治療された不安障害
原因9 睡眠障害
「日光」が多すぎる/昼光灯ーープラスかマイナスか/「眠れない!」は自己暗示になる/睡眠の習慣を変える
原因10 トラウマ体験と抑圧された喪失の悲しみ
喪失の悲しみから逃げない/喪の儀式の助けを借りる/トラウマ体験ときちんと向き合う
第3章 思い込みから自由になる
思い込みの正体を知る
1 束縛する思い込みに気づいて変える
2 すぐに治療が受けられない場合は
警告灯
第4章 燃え尽き症候群になる10の原因とは
原因1 わたしたちが気づいていない「エネルギーと時間の泥棒」
一般化の罠から抜け出す/解決策は思いもよらないところに/のこぎりを研ぐ/自分に正直に/あなたの「価値」を見失わない/何度言われようと間違いは間違い/アドバイザーを選ぶ/親のあり方とは?/燃え尽き症候群の人は思い込みの塊である
原因2 「スペシャリスト兼起業家」の罠
職場での燃え尽き症候群はしばしば「思い違い」から/「わたしの場合はそんなに簡単にはいきません」
原因3 完璧主義と自己搾取
完璧主義は自己搾取である/燃え尽き症候群の最良の治療法・過激な自己愛/まず、思考実験を/完璧であることを期待されたら?/経営者も完璧主義の罠にはまる
原因4 代理満足および気づいていないボトルネック
「大事なもの」と「目指すもの」をリストアップする/「大事なもの」と「目指すもの」との間に矛盾があったら?
原因5 ヘルパー症候群
システムにエラーがある
原因6 絶えず人と比べる
隣の芝生は青い
原因7 仕事と心理的欲求の食い違い
LABプロファイル/心理的欲求を満たせばストレスは消える
原因8 頸椎の不調からくる細胞代謝障害
首の痛み――非常に危険/頸椎外傷が疑われる場合/コルセットは害になることも/見立て違い/微量栄養素を正しく摂る
原因9 コカイン、MDMA、アンフェタミン、大麻
原因10 アルコール
偽りの助っ人
第5章 脳を再起動する
1 神の領分に手を出す?
2 うつと燃え尽き症候群に立ち向かう2つの方法
マインドフルネストレーニング/②アウトソーシング
3 アウトソーシングリストを作る
4 どこかに「たどり着きたい」という願い
第6章 落ち込みをすばやく克服する5つの変奏曲
1 外国語のトリック
ネガティブな独り言はひとつの言語でのみ発生する/バイリンガルの人は?/外国語ができない場合は?
2 心のくすり箱
自分の考えを疑ってみる
3 リフレーミング
4 グーグルのように脳を使う
良い質問を/いちばんシンプルなテクニックがいちばん/「なぜ?」と尋ねない
5 「一般化」の罠から抜け出す
一般化はわたしたちの目と耳を塞いでしまう/「いつも」は「決して」正しくない
あとがき
注
訳者あとがき