ちくま文庫 お-77-1
「悪所」の民俗誌
色町・芝居町のトポロジー
著:沖浦 和光
紙版
内容紹介
都市の盛り場は、遊女や役者の呪力が宿る場所だった。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をえぐり、「悪所」の磁場を解明する。解説 松尾恒一なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか?どん底の街で生きた遊女、悪党、芸能者。その呪力の謎を解きあかす。「〈悪〉という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賎視された「制外者」たちの呪力が宿る場所だった。なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか。芸能を業とする人びとは、どのように暮らし、どんな芸を生み出したのか。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をさぐる。