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ちくま新書 1785

平安王朝と源平武士

力と血統でつかみ取る適者生存

著:桃崎 有一郎

紙版

内容紹介

『源氏物語』で描かれる雅な世界の裏では、武士が暴力で支配する社会があった。血の入れ替えと殺し合いで、源氏と平氏が武士の代表格になっていく背景を描く。

「源氏物語」の裏側の歴史がここにある!

清少納言の兄を始末した源氏/増殖と血統浄化に賭けた平氏
王朝文化に殉じた藤原保昌/賄賂で反逆を握りつぶした道長
藤原秀郷・利仁の実像/「受領は倒るる所に土をつかめ」の真実
鎌倉幕府に北条家が仕掛けた罠と、その驚くべき結末とは?

 清少納言や和泉式部が仮名文学で雅な貴族の世界を描いていた裏では、暴力が支配する武士の世界があった。それは地方だけでなく、都のすぐ隣でも人が殺されるような状態だった。しかも、その雅な世界は武士による収奪によって成り立っていたのだ。この凄惨な時代、拡大・縮小を繰り返しながら、源氏と平氏が武士の代表格として確立してゆく。その背景にある、血の入れ替えと相剋の過程を克明に綴る。

目次

序 章 王朝絵巻世界の裏面史──隣り合わせの血と暴力
第1章 三つの謎──源平の突出、消えた名族、強い受領
第2章 源平はいかにして武士の代表格たり得たか
第3章 王臣家・群盗問題の解決と将門の乱
第4章 源氏の飛躍と秀郷流藤原氏の沈淪
第5章 藤原保昌を生んだ血統と政治的環境
第6章 〈強い受領〉の確立と摂関政治
第7章 源氏の凶暴化を促す藤原保昌一家
第8章 平氏を従える源氏──男系の棟梁と女系の家人
第9章 源氏の支配権の達成と秀郷流・利仁流藤原氏の編成
第10章 「源平」並立体制へ──源氏の内紛と平氏の台頭
第11章 平氏政権の達成と「源平」並立の空洞化
終 章 鎌倉幕府という平氏政権──北条家の勝ち残り方

著者略歴

著:桃崎 有一郎
桃崎 有一郎(ももさき・ゆういちろう):1978年、東京都生まれ。2001年、慶應義塾大学文学部卒業。2007年、慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(史学)。現在、武蔵大学文学部教授。専門は、古代・中世の礼制と法制・政治の関係史。著書に『平安京はいらなかった――古代の夢を喰らう中世』(吉川弘文館)『室町の覇者 足利義満――朝廷と幕府はいかに統一されたか』『武士の起源を解きあかす――混血する古代、創発される中世』(ちくま新書)』『「京都」の誕生―― 武士が造った戦乱の都』『平治の乱の謎を解く――頼朝が暴いた「完全犯罪」』(文春新書)などがある。

ISBN:9784480076137
出版社:筑摩書房
判型:新書
ページ数:368ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2024年04月
発売日:2024年04月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:N