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入門 米中経済戦争

著:野口 悠紀雄

紙版

内容紹介

日本はどちらにつくべきか?

ますます複雑化する対立構造を読み解く



・国際社会で孤立する中国

・中国が世界一の経済大国に

・米中経済戦争の勝者は誰か?

・日本経済への影響はどうなるか

・GAFAやユニコーンも安泰ではない

・日本企業が生き残る選択肢とは?





米中経済戦争は、貿易摩擦やハイテク技術競争から、バイデン政権で国家理念の対決になった。



他方で、生産地としても市場としても中国のウエイトはコロナ前より高まっており、

中国を除外した経済運営は考えられない。



こうした中で日本が選ぶべき道は何か?



米中の経済対立の中で日本や日本企業がとるべき立場を考える。

目次

第1章 米中関係を振り返る

第2次世界大戦後の中国と米中関係

トランプ前大統領が始めた貿易戦争

ハイテク産業に標的――ファーウェイ叩き

バイデン政権で国家理念が問題とされる



第2章 米中対立の本質を理解する

米中対立は対ソ冷戦や日米貿易摩擦とどこが違うか?

アメリカは中国の何が問題と考えているのか?

なぜ中国は急速に発展できたのか?

中国は発展し続けるか?

貿易戦争に勝者はいない



第3章 コロナ後の世界は米中を軸として回る

米中が経済回復

米中貿易収支はどうなったか?

対中依存を強める世界経済

日本経済は低迷を続ける

コロナがわれわれに突きつけた問題



第4章 米中経済戦争で国際分業に支障が生じている

米中経済戦争が半導体不足を深刻化させた

レアアース戦争とデータ持ち出し禁止

リショアリングを進めるべきか否か?



第5章 最先端技術で中国はアメリカを凌駕しつつあるのか?

中国科学技術の強さは人材・資源の国家プロジェクトへの集中

大学ランキングでも米中戦争の時代になった

ユニコーン企業も米中に集中

中国の特異な社会体制がAIの発達に有利

AIによる軍事革命



第6章 中国の巨大IT産業政策に地殻変動

地殻変動の最初の兆候――アントの上場停止事件

中国共産党はIT企業規制を強める――アリババ、ディディにも規制

米中で対照的な株価の動向

いま中国で起きているのは「第3次天安門事件」

「共同富裕」に中国の企業や富裕層が怯えるのは十分な理由がある

米中金融デカップリングは中国経済に計り知れない悪影響をもたらす

「中国は金融デカップリングを恐れていない」という見方も可能

巨大IT企業の問題は米中同じだが、政治体制が違う



第7章 コロナ対応で露呈した米中国家像の越えられぬ溝

強力無比な中国の「健康コード」

中国は強権でデルタ株を抑え込もうとする

デジタル共産主義

感染防止と経済活動を両立させる「国内ワクチンパスポート」を日本は導入できない

中国は国際社会で孤立する

コロナ研究所流出説は立証されなくても中国に不利



第8章 2050年の日米中はどうなる?

先進国と中国の人口が減り、インドの人口が増える

世界経済の中心は欧米から中印へ

中国が世界一の経済大国になるが、豊かさではアメリカの半分以下



第9章 米中の世界戦略と日本がとるべき道

中国が香港弾圧を強化すれば経済面で大きな痛手を被る

台湾有事? しかし中台経済関係は極めて緊密

日本と同じ立場にある韓・豪と協力して米中にあたれ

著者略歴

著:野口 悠紀雄
野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)

1940年、東京生まれ。1963年、東京大学工学部卒業。1964年、大蔵省入省。1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専門は日本経済論。

著書に『情報の経済理論』(日経経済図書文化賞)、『1940年体制―さらば戦時経済』、『財政危機の構造』(サントリー学芸賞)(以上、東洋経済新報社)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)、『「超」整理法』(中公新書)、『仮想通貨革命』(ダイヤモンド社)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞出版社:大川出版賞)など。近著に『中国が世界を攪乱する』(東洋経済新報社)、『経験なき経済危機』(ダイヤモンド社)、『書くことについて』(角川新書)、『リープフロッグ逆転勝ちの経済学』(文春新書)、『「超」英語独学法』(NHK出版)などがある。

ISBN:9784478114773
出版社:ダイヤモンド社
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2021年11月
発売日:2021年11月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCL