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ある文学的地獄詣で

20世紀前期ドイツの一人称小説に関する三部作

著:碓井 信二

紙版

内容紹介

20世紀前期のヨーロッパ文学に続出するアバンギャルドな傑作に刺激されながら、ドイツでは「一人称語り」の小説に自己の作家生命を賭ける人々がいた。ここでは三人の作家の作品を三部作として評論の対象に選んだ。即ち、第一部にゴットフリート・ベンの『プトレマイオスの後裔』、第二部にトーマス・マンの『ファウスト博士』、そして第三部がハンス・カロッサの『幼年時代』である。
因みに「一人称語り」とは、文芸学上は「三人称語り」の対概念で、その語り手は、日本の「私小説」とは異なり、「仮構」されたもので、これに対して三人称の語り手は「虚構」で、「内的独白」とか「意識の流れ」が示すように語り手自身が語りの一機能と考えられる。残るのは「一人称の語り手」という概念だけだが、その検討に上記三例の「語り手」の位相の相違を比較した。

ISBN:9784434309052
出版社:杉並けやき出版
判型:A5
ページ数:60ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年12月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB