出版書誌データベース

外国航路の船に乗れば父が戦死した地に行けるとの思いから船乗りとなって30年、世界の海を貨物船をはじめ、タンカー、石炭運搬船、自動車専用船、LPG 船、冷凍冷蔵運搬船、重量物船、鉱油船、コンテナ船など28隻に乗船。詳細な航海記録や生々しい船員の生活と仕事ぶり、寄港地の様子などを綴った、海の男のロマンあふれる回想記。世界に「丸シップ」（日本船の代名詞）と謳われていた時代を知ってもらいたいとの著者の願いも込められている。タイトルの〝へぃかち〟は見習い船員の呼称。

はじめに/１無我夢中で過ごした初乗船/２いきなり新造船の受け取り/３再度の乗船/４懐かしのラワン積みと南方の島々/５船上で会社の合併、飯野海運から川崎汽船へ/６川汽の持船社船に乗船/７憧れのニューヨーク/８６か月間にも及ぶ三国航路/９伝説のマゼラン海峡を三度も航行/10最初の合理化船/11たぐい稀な体験の数々/12香港の港で/13フロータ・オセアニアに傭船/14空から見たアラスカ・マッキンリー山/15欠員補充の緊急乗船/（16～19略）/20初めてのタンカー/21石炭積みでオーストラリアへ/22近代化実験船に機関部要員として/23船舶技士の資格で/（24～27略）/28最後の航海/終わりに

著：寺村道寛
昭和16年12月10日、鹿児島県生まれ。大阪府河内長野市在住。昭和33年10月、国立唐津海員学校卒業。飯野海運㈱入社（昭和39年4月、川崎汽船㈱と合併）。貨物船「久島丸」に甲板部員として初乗船。タンカー、石炭運搬船、自動車専用船、LPG 船、冷凍冷蔵運搬船、重量物船、鉱油船、コンテナ船など28隻に乗船。昭和63年8月、国際港運㈱入社、国際営業部2課勤務。平成11年8月、㈱日本プロジスティックス設立、社長就任。平成24年1月、社長退任、会長・相談役就任。