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日本文学の扉をひらく 第2巻

日本文学の扉をひらく 第二の扉

踏み越えた人たちの物語

著:立野正裕

紙版

内容紹介

ここには名のある英雄英傑は登場しない。みな無名の生を生きた人々である。だが、かれらは自らの人生を生きた。はたの目にそれがどのように映るかはかれらの眼中になかった。かれらはただ自分の人生をひた向きに生きた。だが、それは目に見えないなにかを踏み越えることでもあった。そしてそれぞれの作品の作家たちもまたそうであった。
主人公たち、作者たち、かれらがなにを、どのように、「踏み越えた」か。それを、複数の人々と語り合った本書の対話編のなかから、どうか読者にもじっくりと読み取っていただきたい。

目次

まえがき
第一章 いまだ出ぬ月の光を━━芥川龍之介作『奉教人の死』
第二章 いよよ華やぐいのちなりけり━━岡本かの子作『老妓抄』
第三章 なぜ斬ったか━━山本周五郎作『大炊介始末』
第四章 わが身の阿呆がをかしうて━━宇野千代作『おはん』
第五章 未完の情熱に生きる━━松本清張作『或る「小倉日記」伝』
あとがき

著者略歴

著:立野正裕
1947年、福岡県生まれ。岩手県立遠野高等学校を卒業後、明治大学文学部(英米文学専攻)に進み、さらに同大学大学院(文学研究科修士課程)を修了。専攻は近現代の英米文学だが、日本の戦後文学についても評論活動をおこなう。一貫して現代における非暴力主義の思想的可能性を探求し、その問題意識から近年は第一次大戦期の「戦争文学」を「塹壕の思想」として新たにとらえ直そうと試みる。著書、『精神のたたかい──非暴力主義の思想と文学』、『世界文学の扉をひらく』(現在まで3巻刊行)、『黄金の枝を求めて──ヨーロッパ思索の旅・反戦の芸術と文学』、『日本文学の扉をひらく』(以上、スペース伽耶刊)

ISBN:9784434293634
出版社:スペース伽耶
判型:A5
ページ数:256ページ
定価:1000円(本体)
発行年月日:2021年07月
発売日:2021年09月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ