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“現世（うつしよ）は夢、夜の夢こそ、まこと”　いっときこんな世界を味わってみませんか?　いっとき喧騒を離れ草木や花の内なる声に沈黙の響きに無心の耳を澄ませてみませんか?　エッセイスト南智子による美しい詩と画家葉祥明による幽玄な絵、草木や花の声が聴こえてくる大人の絵本。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　毎年めぐりくる梅雨の季節に、皆様が何気なく足を止めた野辺のアジサイに、ふと、この小さき絵本を思い浮かべ、しばし懐かしんでいただけたら幸甚です。願わくは、この本が、時にざわつき揺れ動く人の心の水面（みなも）に、パステル色の優しい光を、仄かにかすむ“安穏”の文字を映し出すことが出来たとしたら、それは作者にとりこの上ない喜びであります。（「あとがき」より）

著：南　智子
1954年7月千葉県船橋市生まれ、エッセイスト。実践女子大学英文学科卒、富士通㈱海外事業本部入社、退職後、ドイツおよび英国に15年滞在。日英協会会員、「Japan 2001 フェスティバル」ロンドンハイドパークでの開幕に鶴岡八幡宮の流鏑馬披露を企画。2003年「江戸切子華硝展」をロンドンの日本大使館にて開催（ミキモトロンドン支店協力）、2005年日本・EU市民交流年「英国の陶芸家2人展」を黒田陶苑にて開催。2011年「東日本大震災　鎮魂と再生　魂の画家吉田堅治展」を鶴岡八幡宮直会殿で開催（NHKエンタープライズ協力）。鎌倉市在住。著書に『枯葉の囁き』（2019年かまくら春秋社）

絵：葉　祥明
1946年熊本生まれ、絵本作家・画家・詩人。創作絵本『ぼくのべんちにしろいとり』でデビュー。1990年、創作絵本『風とひょう』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。1991年、鎌倉市に「北鎌倉葉祥明美術館」、2002年に「葉祥明阿蘇高原絵本美術館」を開館。