相模
自由を求め 時代の風とたたかった歌人
著:丸山 牧夫
紙版
内容紹介
~平安時代の歌人,相模の残した歌集「相模集」「思女集」収載の約600首の歌に沿って作られた異色の物語~ 源氏物語や枕草子とともに平安時代を代表する文学として相模集はある。当時の女性は五障があり、成仏できないと思われていた。歌を通して心を澄ませて生きることへの憧れ、落ち着いた夫婦生活の希望、子供を産み育てる願い、豊かな東国の自然の描写とともに率直に思いを貫いて生きたいと願う歌人の熱い思いがこめられた著作。自由を求めて生きる相模とそれを支える人の姿が圧巻。
目次
Ⅰ乙の初恋 1童女御覧 2三条宮へ 3皇后定子の死 4清少納言との別れ 5一条帝への思い 6乙、能因と共に清少納言を訪ねる 7橘則長との出会い 8藤原公任の歌合 9別離 10脩子内親王、藤原隆家邸へ 11乙の失意 12絶望 13侘歌を探して 14藤原定頼との恋 Ⅱ侘歌を求めて 1僧、革の聖と話す 2出会いと別れ 3定頼との恋愛 4昆陽の歌 5脩子内親王についての歌 Ⅲ侘歌を作る 1朝日山に登れ 2不思議な夢 3経を読む 4公資の病死 5賀陽院の歌合 6脩子内親王と話す 7物狂い相模の往生 8脩子内親王の応援 9序の詞を作る 10脩子内親王の死 Ⅳ藤原定家、相模の歌を記す