司馬遼太郎『菜の花の沖』と北前船
著:塩見 英治
紙版
内容紹介
江戸後期に活躍した廻船業者、高田屋嘉兵衛。問題を解決するためには何が必要なのか。優れた外交官としても知られた嘉兵衛が、私たちに教えてくれる。それは、相手を理解しようと努めること。寛容な心を持ち、根気よく対話を続けていけば、争いはなくなり、互いが共生していく道は必ず見つかるのだ。中央大学名誉教授であり日本交通学会名誉会員の著者が、嘉兵衛を描いた司馬遼太郎の作品に触れ、人間的な魅力とその足跡を辿りながら、当時の日本の情勢や北前船が運んだ物資、果たした役割などを紹介する。
目次
Ⅰ 司馬?太郎『菜の花の沖』 (あらすじ/高田屋嘉兵衛が活躍した主要都市の当時の状況/高田屋嘉兵衛という人物/北前船による文化の伝承/当時の和船/主な積み荷/北前船主の規模・ネットワークと高田屋/ニコライ堂と高田屋嘉兵衛/江戸期の謎の部分)Ⅱ 北前船が活動した地域的展開の構造(北前船の定義/北海道と場所請負人/北海道と北前船/北海道の企業勃興/東北地方の北前船/北陸・信越の北前船 ?/北陸・信越の北前船 ?/北陸・信越の北前船 ?/中部地方の北前船/近畿地方の北前船/中国地方の北前船/瀬戸内海地方の廻船問屋/畿内地方の廻船問屋と北前船/汽船海運業と北前船)Ⅲ 高田屋嘉兵衛記念館の案内