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中学生の時代から60年にわたる人生と山登り－。学生時代、社会人、退職後の大病など様々な人生の局面において、通奏低音のように響いていたのは山登りであった。登山について語ることが、著者の人生を辿ることにもなっているユニークな山の本である。百名山ブームもあって、中高年になってから登山を始める人は多い。一方、かつて登山に夢中になっていた若者も、就職や結婚、あるいは健康上の理由で山から離れていく人も多い。その中で、半世紀以上にわたって山登りを続け、しかも正確な記録を残して来た著者の文章は、日本社会の変化とその中における登山の変容を浮かび上がらせる。

はじめに／第１章 山登りを始めた頃／第２章　大学時代／第３章　就職をしてから／第４章　退職・関西への移住・がんの発病、再び山へ／筆を置くにあたって／謝辞／山岳用語解説

著：戸田　祐一
1945年兵庫県芦屋市生まれ。灘高等学校を卒業後、大阪大学基礎工学部機械工学科、同大学院を卒業。1970年、住友電気工業株式会社に入社。光ファイバーの開発、事業化に従事し、1986年より米国の子会社の副社長、社長を歴任。帰国後横浜研究所長、光事業部長などを経て、2000年より子会社の住電ハイプレシジョン㈱の社長を務める。2011年、芦屋市に転居。登山は中学のスキー登山部から始め、現在まで60年間継続。リタイヤ後は認定NPO法人芦屋市国際交流協会の会長を経て、現在は顧問。また、俳句を始める。ホトトギス同人、日本伝統俳句協会会員でもある。日本基督教団港南希望教会を経て、現在、同神戸栄光教会会員。