現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。
著:吉岡 乾
紙版
内容紹介
ブルシャスキー語、ドマーキ語、コワール語、カラーシャ語、カティ語、ドマー語、シナー語……。
文字のない小さな言語を追って、パキスタン・インドの山奥へ――。
著者は国立民族学博物館に勤務するフィールド言語学者。パキスタンとインドの山奥で、ブルシャスキー語をはじめ、話者人口の少ない七つの言語を調査している。調査は現地で協力者を探すことに始まり、谷ごとに異なる言語を聞き取り、単語や諺を集め、物語を記録するなど、その過程は地道なものである。現地の過酷な生活環境に心折れそうになりつつも、独り調査を積み重ねてきた著者が、独自のユーモアを交えつつ淡々と綴る、思索に満ちた研究の記録。
目次
※制作中のため、変更になることがあります。
もくじ
地図・言語分布図
調査地へのアクセス
0
遥かなる言葉の旅、遥かなる感覚の隔たり
表記と文字のこと
1
フィールド言語学は何をするか
インフォーマント探し
ブルシャスキー語
系統不明の凡庸なことば
PCOからスマホへ
物語が紐解くは
異教徒は静かに暮らしたい
ブルシャスキー語の父(笑)
ドマーキ語
諺も消えた
インドへ行って、引き籠もりを余儀なくされる
2
好まれる「研究」と、じれったい研究
バックパッカーと研究者
コワール語
名詞は簡単で動詞は複雑?
文字のないことば
カラーシャ語
アバヨー! 舌の疲れることば
フンザ人からパキスタン人へ
言語系統と言語領域
カティ語
挨拶あれこれ
3
なくなりそうなことば
ドマー語、最後の話者
動物と暮らす
シナー語
街での調査は難しい
出禁村
ジプシー民話
カシミーリー語
変り種の大言語
500ルピーばあさん
ウルドゥー語
インフォーマントの死
「はじめに」
あとがきに代えて
参考文献