「戦後再発見」双書 8
9条入門
著:加藤 典洋
内容紹介
戦後日本の象徴として、多くの日本人から熱烈に支持されてきた憲法9条。だがそれを支持するリベラル派も、批判する右派も、自分に都合の悪い歴史にはずっと目をつぶり続けてきた。 多くの異説や混乱が存在するなか、あらゆる政治的立場を離れ、ただ事実だけを見据えて描き出した、憲法9条の誕生と、「マッカーサー」「昭和天皇」「日米安保」との相克をめぐる成立初期の物語。30年来の構想を書ききった著者渾身の一作。
目次
はじめに――憲法9条に負けるな
1 O先生の叱責
2 兆民先生の教え
第1部 出生の秘密――敗戦から憲法制定まで(1945~47年)
第1章 せめぎあい
1 憲法9条の問題とは何か
2 最初の一歩――近衛文麿への指示
3 マッカーサーの独立王国――アメリカ本国との対立
第2章 独走
1 助走――立法者と天皇
2 処罰と活用
第3章 2つの神話とその構造
1 マッカーサーvs極東委員会
2 天皇の「全責任」発言――二つの『マッカーサー回想録』神話(1)
3 幣原の「戦争放棄」発言――二つの『マッカーサー回想録』神話(2)
4 「特別の戦争放棄」と「ただの戦争放棄」
第4章 天皇の空白を9条の光輝が満たす
1 大統領と国体
2 ケーディスの「故意の言い落とし」
第2部 「平和国家」と冷戦のはじまり――9条・天皇・日米安保(1948~51年)
第5章 戦争放棄から平和国家へ
1 補償作用
2 東京帝国大学憲法問題研究会――東大と9条(1)
3 憲法普及会――東大と9条(2)
4 「八月革命」説――東大と9条(3)
5 宮沢俊義と美濃部達吉
第6章 冷戦の激化――マッカーサーからダレスへ
1 孤立するカーツ大佐=マッカーサー
2 二人のシゲル――全面講和か単独講和か
3 平和問題談話会と外務省条約局
4 マッカーサーとダレス
5 天皇と9条
ISBN:9784422300580
。出版社:創元社
。判型:4-6
。ページ数:352ページ
。定価:1500円(本体)
。発行年月日:2019年04月
。発売日:2019年04月17日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LND。