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図説 日本の城と城下町⑧

松江城

監:西島 太郎

紙版

内容紹介

築城の名手である堀尾吉晴がつくった、鉄壁の防御を誇る松江城。近世城郭最盛期を代表する国宝の現存天守と、宍道湖畔の低湿地の悪条件を解消し、防衛と水運の役割を兼ね備えた城下町・松江を探訪する。現地写真のほか古地図や絵図、地形図を駆使して、歴史の地層を掘り起こし、町に秘められた物語と痕跡をたどる。城郭を中心に発展してきた町の歴史・文化を探訪するシリーズ第8弾。FROGMAN氏の巻頭インタビュー収載。

〔本書の特色〕
◇実戦を想定してつくられた松江城の防御の秘密
国宝の現存天守には、信長・秀吉・家康に仕えた堀尾吉晴の城攻めの経験が生かされている。
鉄壁の守りを誇る構えや、籠城戦も可能とした遺構をめぐる。
◇松江城を深く知る手がかりは城下町
本来、城づくりは、城下町まで含めて計画されるもの。
堀尾吉晴が築いた町割りを中心に、京極・松平氏のもとで水運とともに発展した町をめぐる
◇「雲州松江の文化」も楽しむ
汽水湖である宍道湖へ延びる水路と、大名茶人・不昧公によって独自の文化が育まれた松江。
城めぐりをしたあとには、江戸時代から続く文化を味わう。
◇『秘密結社 鷹の爪』作者・FROGMAN氏のインタビュー
城と城下町に秘められた本当の魅力を知るには、地元の達人に教わるのがよい。
自身の作品でも松江を盛り上げるFROGMAN氏に、松江城と城下町の見どころを聞いた。

目次

◇はじめに 堀から歴史がうかがえる水の都(西島太郎)
◇特別インタビュー 敵への対抗意識が潜む堀尾吉晴が建てた松江城(FROGMAN)
松江城周辺地図
松江市広域地図
◇図説 松江城ものがたり
◇出雲十郡の中心・松江の変遷をたどる
《Part1 松江城を歩く》
松江城地図
城内1 侵入した敵を迎え撃つ「馬溜」
城内2 7棟の米蔵が建った「二之丸下ノ段」
城内3 中央の段差で分かつ藩主の住居「二之丸」
城内4 「椿谷」の通称が残る西側の後曲輪
城内5 本丸への登城道を守る「一ノ門」
城内6 見せ方を意識し、城の威厳を示す「本丸」
城内7 天守を守る第一の難関、集中攻撃を受ける「附櫓」
城内8 幾多の大修理を重ね、技巧の詰まった「天守」
城内9 水にまつわる話が残る腰曲輪と中曲輪
城内10 隠居した藩主が住み、北西を守る「北之丸」
◇松江が「水の都」と呼ばれるゆえん
◇戦国屈指の防御を誇る出雲守護の月山富田城
《Part2 松江の城下町を歩く》
城下町地図
城下1 県政の中心地として活用される「三之丸」
城下2 商業地の面影を残す「末次・京店界隈」
城下3 城下町の風情が色濃く残る武家地「城北地区」
城下4 藩主の菩提寺のそばに忍者が住んだ「城西地区」
城下5 藩の重要施設が集まる松江の心臓「城東」
城下6 豪商たちが集い栄えた松江の玄関口「白潟」
◇歴代松江藩主も通った神の湯「玉造温泉」
◇神を迎え、送り出す出雲の地の神在祭
《Part3 雲州松江の文化探訪》
雲州松江の食文化
雲州松江の芸能・芸術
雲州松江を知るためのミュージアム案内
雲州松江の祭礼・行事
◇索引
◇参考文献

著者略歴

監:西島 太郎
西島太郎(にしじま・たろう)
追手門学院大学文学部人文学科教授。1970年、滋賀県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。2010年からの約12年間、松江歴史館の学芸員を務め、2022年から追手門学院大学に着任。おもな著書に『松江・城下町ものがたり』(戎光祥出版)、『松江藩の基礎的研究』(岩田書院)、『史料纂集 朽木家文書 第1・2』(八木書店)などがある。

ISBN:9784422201788
出版社:創元社
判型:A5
ページ数:160ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2023年10月
発売日:2023年10月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AM
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ