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〈こころ〉とアーティフィシャル・マインド

他著:河合 俊雄
他著:吉岡 洋
他著:西垣 通

紙版

内容紹介

機械は心を持てるのか? テクノロジーの飛躍的な進歩によって人工知能が日常の隅々にまで浸透していく中、この古くて新しい問いは様々に変奏されながらさらなる問いを誘発する。機械は芸術作品を創造できるか? そもそも人間自身は創造的な存在なのか? 心の本質をめぐり、情報学、ロボティクス、芸術学、臨床心理学の第一人者たちが創造性や自律性、主観性、感情など多彩な切り口からスリリングな問題提起と議論を展開する。

目次

【目次】


はじめに――京都こころ会議について……河合俊雄

イントロダクション
こころとアーティフィシャル・マインド……吉岡洋
1 アーティフィシャル・マインド?
2 美空ひばりとレンブラント
3 AIは芸術作品を創造できるのか?
4 「騙すこと」をめぐって
5 自然と技術とのインタラクション

講演1
AI時代の心のゆくえ……西垣通
1 心って何?
2 自律性と責任を問い直す
3 機械は自律性を持つのか?
4 情報学をめぐる二つのパラダイム
5 ネオ・サイバネティクスの登場
6 心はオートポイエティック・システムである
7 シンギュラリティとホモ・デウス
8 自動運転への期待
9 人間のスコアリングの明と暗
10 AIと芸術創造

講演2
深層学習と運動感覚学習――認知発達ロボティクスの視点から……尾形哲也
1 ディープラーニングの趨勢
2 ディープラーニング入門
3 ロボットの応用へ
4 企業との共同研究開発へ
5 AIに関する議論――人間と同等になる?
6 AIに関する議論――責任所在
7 おわりに

講演3
令和二年 心のモデルを考える……長尾真
1 頭脳のモデル
2 頭脳の知的機能
3 魂の働き
4 心の現象は複雑である
5 頭脳を統括しているもの
6 頭脳活動のプログラム化の可能性
7 おわりに

ディスカッション
こころと機械のあいだ――京都こころ会議の討論から……河合俊雄・吉岡洋・西垣通・尾形哲也・長尾真
講演を振り返って/芸術家にとって機械は面白い/人工知能とフランケンシュタイン・コンプレックス/心と身体の関わり/内観から問題を解くロボット/評価者としての芸術家の必要/AIはメタファーを扱えるか/お笑いの難しさ/価値づけることの重要性

著者略歴

他著:河合 俊雄
河合俊雄(かわい・としお)
1957年生まれ。京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。Ph.D.(チューリッヒ大学)、ユング派分析家、公認心理師、臨床心理士。現在、京都大学こころの未来研究センター教授・センター長。専門は臨床心理学。著書に『ユング』(岩波現代文庫)、『心理療法家がみた日本のこころ』(ミネルヴァ書房)、『発達障害への心理療法的アプローチ』(編著、創元社)など。
他著:吉岡 洋
吉岡洋(よしおか・ひろし)
1956年京都府生まれ。1985年京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授、京都大学大学院文学研究科教授を経て、2016年より京都大学こころの未来研究センター特定教授。専門は美学・芸術学、情報文化論。著書に『〈思想〉の現在形』(講談社選書メチエ)、『情報と生命』(共著、新曜社)など。批評誌『Diatxt.(ダイアテキスト)』『ヨロボン』『パラ人』編集長。
他著:西垣 通
西垣通(にしがき・とおる)
1948年東京都生まれ。1972年東京大学工学部計数工学科卒業。同年日立製作所入社、コンピュータ・ソフトウェアの研究開発に従事。1982年東京大学工学博士。明治大学助教授・教授を経て、1996年より東京大学社会科学研究所教授。2000年東京大学大学院情報学環教授、2013年東京経済大学コミュニケーション学部教授を歴任し、2019年定年退職。現在、東京大学名誉教授。専門は情報学、メディア論。著書に『デジタル・ナルシス』(岩波現代文庫)、『基礎情報学(正・続)』(NTT出版)、『AI原論』(講談社選書メチエ)など。

ISBN:9784422117577
出版社:創元社
判型:4-6
ページ数:168ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2021年02月
発売日:2021年02月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP