序章 描画法の位置づけ
投影法と心理査定
1.はじめに
2.各章の構成
第 1 章 現代の心理療法と投影法
1.現代の心理療法
2.投影法と「サイコロジカル・マインド」
3.バウムテスト――〈心理査定的描画法〉と主体の生成
4.スクイグル――主体と主体が交わる〈心理療法的描画法〉
5.描画法としての風景構成法の独自性
6.次章へ向けて
第 2 章 対人恐怖的心性と風景構成法
1.対人恐怖的心性と近代的な自己意識
2.風景構成法に表現される近代的な自己意識
3.調査について
4.調査から考えられること
5.風景構成法に表現される自己意識 再考
第 3 章 風景構成法と主体の生成
1.風景構成法の持つさらなる機能
2.事例の提示
3.〈幻聴〉に見るクライエントのあり方
4.「否定」する行為と主体の生成
5.風景構成法における「融合」と「否定」
6.「否定」と描画法
第 4 章 境界と対話の場としての交互スクイグル
1.スクイグルと自我境界
2.自我境界の観点から見た面接開始当初の見立てと面接の方針
3.スクイグル導入までのクライエントの自我境界のあり方
4.交互スクイグルの導入と自我境界の生成
5.対話としての交互スクイグル――言語的対話と非言語的対話の相補性
6.スクイグルにおける「融合」と「否定」
7.相互「否定」の場としてのスクイグル――その本質としての「結合と分離の結合」
第 5 章 主体の内実としてのイメージ
1.主体の生成とイメージの自律
2.タヌキとはどのような生き物か
3.事例におけるタヌキイメージ
4.自己意識の萌芽とその限界
5.主体の生成とイメージの誕生の同時性から見たスクイグル
第 6 章 バウムテストにおける主体の生成と「出会い」
1.はじめに
2.筆者の体験から
3.なぐり描き法の描線に見る混沌からの「出会い」
4.同時通訳者の「出会い」
5.心理臨床場面における「出会い」
6.バウムテストに見る主体の生成
第 7 章 描画法における主体の生成
1.「融合」と「否定」の場としての描画法に見る主体の生成とイメージの誕生
2.線が描かれること――バウムテストとスクイグルの類似性
3.線が閉じられること――バウムテストにおける主体の表現
4.線と線が関係づけられること――風景構成法における自己意識
第 8 章 情念とは何か
1.情念についての哲学的理解
2.情念についての心理学的・神経科学的理解
3.中村雄二郎による情念論――情念と共通感覚
4.現代の心理療法と情念
第 9 章 夢を介した心理療法における情念と共通感覚
1.発達障害「的」事例
2.事例の提示
3.考察
4.発達障害「的」様相への心理療法と情念
終章 心理療法と情念
1.投影法と描画法――「サイコロジカル・マインド」をめぐって
2.身体を用いる〈作業〉としての描画法
3.情念と「サイコロジカル・マインド」
4.心理療法と情念
5.おわりに
註
引用文献
索引
巻末資料
初出一覧
あとがき