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ユング心理学研究 第15巻

共感力のゆくえ

編:日本ユング心理学会

紙版

内容紹介

コロナ禍によって日常のコミュニケーションのあり方が大きく変化していく中で、心理臨床の根幹にある共感というこころの働きもまた新たな視点から再考することを求められている。特集では、霊長類学者の山極壽一氏が人類の進化の過程を解き明かしながら共感について論じたシンポジウムをはじめ、プレイセラピー、オンラインでの心理面接、不在をテーマとしたマンガ作品を取り上げた特別寄稿を通じて、共感の捉え直しを試みる。

目次

目 次

はじめに  山口素子

シンポジウム
●基調講演「共感力の再考――コロナ後の時代へ向けて」  山極壽一
 類人猿の研究から
  はじめに/ゴリラの様々な表情/ゴリラのコミュニケーション/人間の目の特徴
 「共感力」の進化
  「共感力」のレベル/類人猿は思考しているのか/人間の脳が大きくなったのはなぜか?/集団規模とコミュニケーション/人間が共感能力を高めたのはなぜか?
 人類の進化と共感
  早い離乳、遅い成長/音楽的コミュニケーション/人間社会の変革/戦いは人間の本性なのか?/霊長類が群れで暮らす理由/共感能力の暴発
 これからの時代をどうデザインするか
  科学技術の危うさ/日本人の感性である容中律の精神/人間が目指すべきもの/今、世界で起こりつつあること/シェアリングとコモンズの時代
●討論――基調講演を受けて  指定討論者 河合俊雄・岩宮恵子
  言語以前のものの共有/バーチャル世界と身体性/身体的リアルとイメージ/言葉と物語

特別寄稿
●プレイセラピーにおける共感――ボールを用いたプレイを手掛かりに  高橋 悟
●オンラインでの心理面接と共感力について  足立正道
●『葬送のフリーレン』から共感を考える  川部哲也

講演録
●ミステリウム・コニウンクチオニス――統合の神秘的創造  マレイ・スタイン

論 文
研究論文
●『赤毛のアン』と母なるもの――ケルトの死生観  原田久仁美
●『思い出のマーニー』にみる思春期女性の心の変容――移行期の心を支える想像の仲間・親友と、母なるものとのつながり  須藤春佳

印象記
●国際分析心理学会(IAAP)第22回大会印象記  前田 正
●国際分析心理学会(IAAP)第22回大会印象記  桝蔵美智子
●日本ユング心理学会第10回大会印象記  奥田智香子
●日本ユング心理学会第10回大会印象記  河田知奈

文献案内
●神経症論に関するユング心理学の基礎文献  北口雄一
●海外文献  佐渡忠洋

日本ユング心理学会 機関誌投稿規定(2018年9月16日改訂)

ISBN:9784422117157
出版社:創元社
判型:A5
ページ数:202ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JMA