【本書の紹介】
新たな賃上げ促進税制では、中小企業向けに5年間の繰越控除制度が創設され、いわゆる赤字法人においても将来にわたり賃上げ促進税制の恩恵が受けられるような措置が施されました。さらに、中小企業以外の企業についても、これを実質的に大企業と中堅企業とに新たに細分し、中堅企業に対しては、大企業よりも緩やかな要件で賃上げ促進税制が適用できるよう要件設定がなされました。そして、従来までの教育訓練費に加え、仕事と子育てとの両立支援(くるみん認定)や女性活躍支援(えるぼし認定)に積極的に取り組む企業への上乗せ措置が創設されています。
本書では、このように大幅に改正された賃上げ促進税制の適用における可否判定の仕方から、中小企業向け繰越控除制度の活用方法、申告時の別表の書き方に至るまで、様々なパターンの事例を通して理解できるようになっています。顧問先へ本制度の検討を提案する際にも役立つ、「本当に仕事で使える」本です。
また、本書で解説している内容は、中小企業が適用できる中小企業向け賃上げ促進税制が中心となりますが、全企業向けあるいは中堅企業向けの賃上げ促進税制の内容も含んでいるため、多くの企業の方々が活用可能なものです。
【著者プロフィール】
田中康雄
税理士法人メディア・エス、社員税理士。
1973年滋賀県彦根市生まれ、1997年慶應義塾大学商学部卒業。
法人税、消費税を専門とし、上場企業から中小企業までの税務業務を担当。
「税経通信」等の税務専門誌にも多数執筆。
〈主要著書〉
『別表4・5のしくみと決算書とのつながりがわかる本』、『こんなに使える試験研究費の税額控除』、『設備投資優遇税制の上手な使い方[第2版]』(以上、税務経理協会)『ケース別「事業承継」関連書式集』共著(日本実業出版)
【目次】
第1章 賃上げ促進税制のあらまし
第2章 中小企業向け賃上げ促進税制
第3章 全企業向け賃上げ促進税制
第4章 中堅企業向け賃上げ促進税制
第5章 教育訓練費とくるみん認定・えるぼし認定
第6章 賃上げ促進税制の適用事例
事例1 役員報酬が区分されている場合の雇用者給与等支給額
事例2 役員及びその特殊関係者と雇用者給与等支給額
事例3 給与等の範囲と雇用安定助成金額の取扱い
事例4 出向者負担金収入と教育訓練費
事例5 未払賞与の取扱いと繰越税額控除の活用
事例6 中小企業による中堅企業向け賃上げ促進税制の活用