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名作椅子の解体新書 PART2

見えない部分にこそ技術がある。名作たる理由が、分解する、剥がす、組み立てる、張り替えることで見えてくる!

著:西川 栄明
著:坂本 茂

紙版

内容紹介

『名作椅子の解体新書』(2020年刊行)の続編。レッドアンドブルーチェアやトーネットNo.14など「名作椅子」と呼ばれている椅子、フィン・ユールやイームズなどの著名デザイナーがデザインした椅子について、解体(分解)、組立、座の張り替えなどの工程を写真入りで詳細に紹介(*椅子によって、解体のみ、解体・組立、布(革)張りの剥がし 等々のパターンあり)。

これらを紹介しながら、各椅子の特徴、構造、デザイナーの思いなど探っていく。
1)どのような技術が駆使されているか:接合方法、強度の持たせ方、デザインを生かすための工夫、外見からはわからない隠れた部分での工夫 など
2)長所、短所
3)素材:使用木材や金属の種類、張地の中身(綿、布、馬毛、ウレタンなど) など
4)デザイナーがどのような考え方で、その椅子を手掛けたのか。どのような経緯で、その椅子が誕生したのか。
5)掲載椅子(19脚)
・レッドアンドブルーチェア〔ヘリット・トーマス・リートフェルト〕
・ワシリーチェア〔マルセル・ブロイヤー〕
・トーネットNo.14〔トーネット〕
・チーフティンチェア〔フィン・ユール〕
・BO59〔フィン・ユール〕
・ディプロマットチェア〔フィン・ユール〕
・PP124〔ハンス J. ウェグナー〕
・ミニベアチェア〔ハンス J. ウェグナー〕
・PK31〔ポール・ケアホルム〕
・アームチェア402〔アルヴァ・アアルト〕
・ラミノチェア〔イングヴェ・エクストロム〕
・ヨーテボリチェア〔エリック・グンナール・アスプルンド〕
・キャブ〔マリオ・ベッリーニ〕
・イームズラウンジチェア〔イームズ〕
・アルミナムグループチェア〔イームズ〕
・モデル72〔エーロ・サーリネン〕
・山葉文化椅子〔日本樂器製造株式会社〕
・コトブキ製サイドチェア〔柳宗理〕
・曲彔

目次

・チーフティンチェア〔フィン・ユール〕
チーフティンチェアを解体・修復する
-なぜ、チーフティンチェアのアームには鉄板が入っているのか-

・BO59〔フィン・ユール〕
フィン・ユールのBO59を解体する
-特徴的なX字形の貫は、どのような構造になっているのか-

・ディプロマットチェア〔フィン・ユール〕
ディプロマットチェアを解体・修復する
-フィン・ユールがデザインした、量産タイプのノックダウン式アームチェア-

・PP124〔ハンス J. ウェグナー〕
ウェグナーのPP124をフレーム状態にする
-丈夫なロープ(フラッグ・バリヤード)を背と座に使用したロッキングチェア-

・ミニベアチェア〔ハンス J. ウェグナー〕
ミニベアチェアを解体・修復する
-ミニベアチェアは、パパベアチェアとどこが違うのか-

・PK31〔ポール・ケアホルム〕
ポール・ケアホルムのPK31を解体・修復する
-シートや背もたれを横に連結して、座席を増やせるソファ-

・アームチェア402〔アルヴァ・アアルト〕
アアルトのアームチェア402を解体・修復する
-アアルト夫妻の曲げ加工技術研究によって生まれた椅子-

・ラミノチェア〔イングヴェ・エクストロム〕
ラミノチェアを解体・修復する
-スウェーデンで人気の高い、人間工学の視点からデザインされたノックダウン式のエレガントな椅子-

・ヨーテボリチェア〔エリック・グンナール・アスプルンド〕
ヨーテボリチェアを解体する
-トーネットの椅子に似ているといわれるが、構造面では似て非なるもの-

・トーネットNo.14〔トーネット〕
トーネットNo.14を分解する
-なぜ、トーネットの椅子は世界中で愛用されてきたのか-

・レッドアンドブルーチェア〔ヘリット・トーマス・リートフェルト〕
レッドアンドブルーチェアを分解する
-なぜ、レッドアンドブルーチェアは、見た目にインパクトがあるのか-

・ワシリーチェア〔マルセル・ブロイヤー〕
ワシリーチェア(B3)を分解する
-なぜ、ワシリーチェアの素材にスチールパイプが使われたのか-

・キャブ(CAB)〔マリオ・ベッリーニ〕
キャブ(CAB)の革を剥がす
-なぜ、素材は革だけに見えるのに、強度も柔軟性もある椅子になっているのか-

・イームズラウンジチェア〔イームズ〕
イームズラウンジチェアを解体・修復する
-なぜ、イームズラウンジチェアは、イームズの椅子の代表作といわれるのか-

・アルミナムグループチェア〔イームズ〕
アルミナムグループチェアを分解する
-イームズが、構造上の重要箇所にアルミニウムを用いる先駆けとなった椅子-

・モデル72サイドチェア〔エーロ・サーリネン〕
エーロ・サーリネンのモデル72を解体・修復する
-エーロ・サーリネンが、異素材を組み合わせて構成したノックダウン式の椅子-

・山葉文化椅子〔日本樂器製造株式会社〕
山葉文化椅子を分解する、組み立てる
-大正の終わりから昭和の初めにかけて、当時の時代の先端をいった折り畳み椅子-

・コトブキ製サイドチェア〔柳宗理〕
柳宗理のコトブキ製サイドチェアを解体・修復する
-背と座の芯材は、FRP製シェルと紙製シェルを合わせたもの-

・曲彔(きょくろく)
曲彔を解体・修復する
-鎌倉時代の頃から、禅宗のお寺で使われてきた折り畳み椅子-

著者略歴

著:西川 栄明
西川 栄明:編集者、椅子研究者。椅子や家具のほか、木材や木工芸など木に関することをテーマにして編集・執筆活動を行う。著書に『新版 名作椅子の由来図典』『この椅子が一番!』『手づくりする木のスツール』『一生つきあえる木の家具と器』(いずれも誠文堂新光社)、『板目・柾目・木口がわかる木の図鑑』『樹木と木材の図鑑-日本の有用種101』(いずれも創元社)など。共著に『名作椅子の解体新書』『Yチェアの秘密』『ウィンザーチェア大全』『増補改訂 原色 木材加工面がわかる樹種事典』『漆塗りの技法書』(いずれも誠文堂新光社)など。企画編集に『流れがわかる! デンマーク家具のデザイン史』(多田羅景太、誠文堂新光社)など。
著:坂本 茂
坂本 茂:木工デザイナー。東京造形大学及び多摩美術大学非常勤講師。五反田製作所などで家具製作に携わった後、1990年、ディー・サイン(現 カール・ハンセン&サン ジャパン)入社。Yチェアなどの商品管理(検品・修理・輸入業務)に従事。Yチェアの立体商標登録に尽力。2014年に退社後、sim design設立。デザイナーとして活動するほか。数多くの椅子のペーパーコード張り替えや修理なども行う。1990年、第1回「国際家具デザインフェア旭川」コンペ入選。98年、第1回「暮らしの中の木の椅子展」最優秀賞。2015年、工芸都市高岡クラフトコンペでファクトリークラフト部門グランプリ。共著に『名作椅子の解体新書』『Yチェアの秘密』(いずれも誠文堂新光社)。

ISBN:9784416523186
出版社:誠文堂新光社
判型:B5
ページ数:208ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2023年10月
発売日:2023年10月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AKR