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薔薇のことぶれ

リルケ書簡

著:志村 ふくみ

紙版

内容紹介

『リルケ書簡集』を中心に、中でも妻クララに宛てた有名な「セザンヌ書簡」を取り上げるとともに、ヨーロッパのさまざまな国の、しかも知性と教養において傑出した女性たちに愛され、また自らも独特の女性観を持っていた詩人の一面に初めて迫る、前著『晩禱 リルケを読む』の姉妹作。

「こうしてリルケの書簡を読んでいる時、私は全く別のリルケを感じる。彼のとり乱した苦悩にあえぐ姿を読者は知らない。……まことに天才は測りがたい。生身の人間であることを忘れて、われわれはその作品のみをみとめようとするが、その背後に傷だらけのみじめな人間がじっとたたずんでいる。黒い鉄格子のはりめぐらされた現世の暗い室内から、夜空に時折光彩を放つ群星のような詩が生まれるのだ。幸か不幸か、私はこの書簡集に出会ってしまった。……」(本書より)

著者略歴

著:志村 ふくみ
1924 年滋賀県生れ。1955年滋賀県近江八幡に住み、染織の研究をはじめる。1964年京都嵯峨に移り住む。1990年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。1993年文化功労者に選ばれる。著書に『一色一生』(求龍堂、1983年)、『語りかける花』(人文書院、1992年)、『母なる色(求龍堂、1999年)』『ちょう、はたり』(筑摩書房、2003年)ほか。

ISBN:9784409150238
出版社:人文書院
判型:A5
ページ数:190ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2012年12月
発売日:2012年11月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DND