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　『閨房哲学』は、18世紀以前の思想や同時代の啓蒙思想が入り込み、豊饒なテクストが形成されている。サドの哲学が性と見事に結びついたリベルタン文学の集大成であり、とりわけ途中挿入された「フランス人よ、共和主義者になりたければあと一息だ」は有名。

これまでにもいくつもの翻訳が刊行されているが、本書は18世紀初版本の当時のテクストを忠実に再現し、最新の研究成果をともなった詳細な註と解説を付す決定版といえる。

著：マルキ・ド・サド
フランス革命期の貴族、小説家。代表作に『悪徳の栄え』『ソドムの百二十日』など。

訳：関谷　一彦
1954年、生まれ。現在、関西学院大学教授。専門は18世紀フランス文学、エロティシズム。共著に『共同研究　ポルノグラフィー 』（平凡社、2011年）『危機を読む　モンテーニュからバルトまで』（白水社、1994年）。弊社からは、『女哲学者テレーズ』（2010年）の翻訳がある。