祥伝社文庫
礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略
著:樋口有介
紙版
内容紹介
身元不明の空き巣男が、民家の風呂場で息絶えていた。
検視結果は単なる病死。家主にアリバイもあり、事故の線がまず濃厚。
それでも胸騒ぎのわけを、確かめずにはいられない。
火のないところに煙を立てる女性刑事の名推理!
住宅街の一軒家で、空き巣が風呂に入ってそのまま死んだ。靴を揃えて服を畳み、割ったガラスを補修して、やけに礼儀正しい男だった。死因は心疾患で、事件性はなし。だが国分寺署の刑事課長は、そこが三十年前の少女殺害現場の隣家であることに気づく。単なる偶然か、なにかの因縁か。本庁への栄転を目論む卯月枝衣子警部補は、僅かな手がかりを追って極秘捜査を開始する。