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西欧文学、最高の古典の名作に音楽を付した声楽作品。斯界の第一人者による訳詞、12曲を厳選。地獄篇・煉獄篇・天国篇のもっとも重要なパラグラフの熱唱！　取り上げる訳詞への詳細な解説付き。

序（１） 人生の道の半ばで（「地獄篇」第１歌１～９行）
２　憂の国に行かんとするものは（「地獄篇」第３歌１～９行）
３　私に先達が彼を諭した（「地獄篇」第３歌 94～96行）
４　愛された以上愛し返す（「地獄篇」第３歌 103～105行）
５　あの憧れの微笑みに（「地獄篇」第５歌 133～138行）
６ 「諸君」と私はいった（「地獄篇」第26歌 112～120行）
７　よりよい海を馳せ行くために（「煉獄篇」第１歌１～６行）
８　ああ隷属の国イタリア（「煉獄篇」第６歌 76～78行）
９　皆よりも一段高い処に（「煉獄篇」第７歌 91～100行）
10　万物を動かす者の栄光は（「天国篇」第１歌１～３行）
11　とういうのもベアトリーチェの目の中に（「天国篇」第15歌 34～36行）
12　私の空想の力も（「天国篇」第33歌 142～145行）

解説

著：伊能 美智子
作曲家、ピアニスト。東京女子大学卒。国際基督教大学に暫時学んだ後、大阪音楽大学ピアノ科卒。桐朋学園大学でピアノ科講師(非)を務めた後、数年の海外生活を経て作曲を始める。殊に、歌曲創作に憧れるものの歌詞の選択に行き詰まり、母の短歌を使用した経験から「小倉百人一首」に付曲を始める。海外にも紹介されるようになり、2001年、100曲完成。2002年、千葉県市川市民文化奨励賞受賞後、市川市文化振興財団により4年に亘り、全曲を発表。2006年、文化庁長官表彰を受け、同年より10年間、歌曲コンクール「小倉百人一首うたくらべ」を主催。2017年、歌曲集『小倉百人一首をうたう』(学研プラス社刊)に纏める。2021年、イタリアの日伊文化交流協会より依頼を受け「ダンテ神曲による12の歌曲集」を作曲。2022年、春秋社より上梓。作品には日本の短詩(短歌、俳句)によるものが多い（『みだれ髪抄』、『斎院式子内親王』、『おくのほそ道抄』、『分け入っても青い山』等）。さらに『ハト胸の将軍』、『海を視て』、モノオペラ『マクベス』他、多数。歌曲集、合唱曲集などの作品楽譜、ピアノに関する著書、教材、CDなど出版物も多い。

訳：平川 祐弘
1931年生まれ。比較文学研究者・評論家。東京大学名誉教授。1967年、ダンテ『神曲』の翻訳で河出文化賞受賞。

解説：藤谷 道夫
1958年、広島県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科文学専攻単位取得満期退学。現在、慶應義塾大学文学部教授。主著に『ダンテの『神曲』を読み解く』（教育評論社）などがある。