はしがき
第一篇 インド・中国仏教の諸相
第一章 八相成道と八相示現
一 問題の所在
二 八相成道と応身仏
三 八相成道と仏伝
四 八相示現と菩薩の修行
五 まとめ
第二章 初期大乗仏教における在家と出家
一 問題の所在
二 在家仏教の大乗的意味
三 大乗戒としての十善道の在家的性格
四 仏説と如是我聞と見仏三昧
五 般舟三昧経の観仏三昧の意義
六 在家菩薩の声聞僧への布施
七 般若波羅蜜の理想像としての在家菩薩
八 ダルマバーナカの在家的性格
九 大乗の出家菩薩としての童真
一〇 瑜伽論に説く菩薩の受戒
第三章 縁起と性起―― 華厳の唯心偈をめぐって
一 問題の所在
二 性起説明の困難
三 性起の理解は般若の智慧による
四 華厳の唯心偈の問題点
五 華厳の縁起の意味と般若
六 法蔵の縁起の理解
七 本有・修生等の四義と性起
八 染浄合説について
第四章 智顗の戒体論について
一 問題の所在
二 次第禅門の戒観
三 摩訶止観の「持戒清浄」
四 法華玄義の「戒聖行」
五 菩薩戒義疏の戒観
第五章 智顗における実相と法界
一 作業仮説的研究の意味
二 実相と実相の異名の関係
三 法界と三転読文
第六章 四分律宗の出現と十誦律
一 広律の伝来と広律以前
二 広律以後の律の研究と十誦律
三 四分律宗の伝統と慧光
四 四分律宗の発展
五 十誦律宗の衰退
第七章 道宣の法華経観
一 道宣の著作と妙法蓮華経義苑
二 道宣の思想的立場
三 道宣と法華経
第二篇 日本仏教の諸問題
第一章 日本仏教の教団的特色―― とくに僧尼令の問題点
一 仏教の僧伽と教団との違い
二 出家僧の自治的規則としての戒律と、国法の一部としての僧尼令の相違
三 僧尼令の国家権力的性格の吟味
四 僧尼令の規則と律蔵の合致
第二章 仏教学と宗学
一 仏教学と哲学・宗教学
二 仏教学の問題点
三 文献学の問題点
四 漢訳仏典と宗学の価値
第三章 勝鬘経義疏より見た十大受三大願と如来蔵
一 十大受・三大願の位置、如来蔵と信
二 戒としての十大受
三 三大願の内容
四 聖徳太子の立場
第四章 勝鬘経義疏の註釈における太子の態度
一 勝鬘の位、七地と八地
二 自分行と他分行
三 自性清浄心の覚醒
四 空について
第五章 勝鬘経義疏と奈93との関係について
一 問題の所在
二 太子の義疏の特色
三 自分行と他分行
四 本義と「一に云う」
第六章 日本思想史と戒律仏教
一 日本思想史の問題点
二 国家の法律、僧尼令と仏教の戒律
三 戒律の歴史
四 戒律の存在意義
第七章 凝然の戒律思想
一 凝然の著作
二 通受比丘懺悔両寺不同記と律宗綱要
三 道宣の種子戒体説
四 凝然の一乗戒
五 凝然の戒思想の特色
六 律宗綱要の組織
第八章 授菩薩戒儀の研究
一 授菩薩戒儀の性格と最澄
二 受戒作法の三系統
三 授菩薩戒儀の種類と三聚浄戒との関係
四 授菩薩戒儀の組織と律蔵の関係
第九章 道元の戒観と律蔵
一 修証一等と戒
二 正法眼蔵と律文献
三 道元における菩薩戒の意味
四 道元の戒脈
第一〇章 禅と戒律―― 十六条戒を中心として
一 戒の意味
二 十六条戒と伝戒
三 三帰戒
四 三聚浄戒、天台系の菩薩戒との関係
五 十重禁戒と禅の立場
第一一章 大蔵経の系譜
一 三蔵の成立
二 大乗経典の出現
三 漢訳大蔵経
四 漢訳大蔵経の出版
五 日本の大蔵経出版
六 チベット大蔵経
七 パーリ語三蔵
八 サンスクリット語仏典
索引