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現代哲学への招待

穴と境界

存在論的探究

著:加地 大介
監:丹治 信春

紙版

内容紹介

実体や普遍といった大問題ではなく、穴と境界という、身近にありつつ、存在と無、具象と抽象、物質と非物質、ものとことの間でうごめく奇妙な何かを通して存在の秘密へ読者を誘う野心作。初版刊行後の反響や議論の発展をまとめた追記を増補し、ますます充実。

目次

はじめに
第1章 存在のかたち
 1 現代形而上学をとりまく事情と存在論
 2 三つの現代的カテゴリー論
 3 現代哲学における「存在論的転回」
第2章 穴
 1 穴は存在するか
 2 穴は回るか
 3 穴とは何ものか(1)――物体としての穴
 4 穴とは何ものか(2)――欠如としての穴
 5 穴とは何ものか(3)――依存対象としての穴
第3章 境界
 1 なぜ境界は重要なのか(1)――実体の独立性
 2 なぜ境界は重要なのか(2)――実体の自己連結性
 3 なぜ境界は重要なのか(3)――「触れ合い」の謎
 4 境界とは何ものか(1)――無としての境界
 5 境界とは何ものか(2)――抽象的対象としての境界
 6 境界とは何ものか(3)――具体的対象としての境界
付論 形式存在論の現代的展開
 1 哲学的フォーマル・オントロジー
 2 工学的フォーマル・オントロジー
 3 代表的な形式的関係

あとがき
追記『穴と境界』発行から復刊に至るまで
参考文献
索引

著者略歴

著:加地 大介
1960年、愛知県に生まれる。1983年、東京大学教養学部(科学史科学哲学分科)卒業。1989年、東京大学人文科学研究科博士課程(哲学専攻)単位取得退学。2007-08年、ニューヨーク大学、ダラム大学(いずれも哲学科)客員研究員。現在、埼玉大学大学院人文社会科学研究科教授。専門は形而上学および論理哲学。主な著書に『なぜ私たちは過去へ行けないのか――ほんとうの哲学入門』(哲学書房、2003年)、『もの――現代的実体主義の存在論』(春秋社、2018年)、『論理学の驚き――哲学的論理学入門』(教育評論社、2020年)などがある。
監:丹治 信春
1949年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程(科学史・科学基礎論)単位取得退学。博士(学術)。首都大学東京大学院人文科学研究科教授を経て、現在、日本大学文理学部教授。専門は、科学哲学・言語哲学。著書に『言語と認識のダイナミズム』(勁草書房)など。

ISBN:9784393329078
出版社:春秋社
判型:4-6
ページ数:264ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2023年01月
発売日:2023年01月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDTJ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX