現代哲学への招待
穴と境界
存在論的探究
著:加地 大介
監:丹治 信春
紙版
内容紹介
実体や普遍といった大問題ではなく、穴と境界という、身近にありつつ、存在と無、具象と抽象、物質と非物質、ものとことの間でうごめく奇妙な何かを通して存在の秘密へ読者を誘う野心作。初版刊行後の反響や議論の発展をまとめた追記を増補し、ますます充実。
目次
はじめに
第1章 存在のかたち
1 現代形而上学をとりまく事情と存在論
2 三つの現代的カテゴリー論
3 現代哲学における「存在論的転回」
第2章 穴
1 穴は存在するか
2 穴は回るか
3 穴とは何ものか(1)――物体としての穴
4 穴とは何ものか(2)――欠如としての穴
5 穴とは何ものか(3)――依存対象としての穴
第3章 境界
1 なぜ境界は重要なのか(1)――実体の独立性
2 なぜ境界は重要なのか(2)――実体の自己連結性
3 なぜ境界は重要なのか(3)――「触れ合い」の謎
4 境界とは何ものか(1)――無としての境界
5 境界とは何ものか(2)――抽象的対象としての境界
6 境界とは何ものか(3)――具体的対象としての境界
付論 形式存在論の現代的展開
1 哲学的フォーマル・オントロジー
2 工学的フォーマル・オントロジー
3 代表的な形式的関係
あとがき
追記『穴と境界』発行から復刊に至るまで
参考文献
索引