医師と聖職者の協働 全十一講
第一講
宗教治療の出発点―医師と聖職者の役割/宗教から見た保健・衛生/治療と典礼/治療の非日常性/有効な治療とは/医療と祭祀儀礼/医師も祭司も自らが教師であることの自覚をもつ
第二講
病理の特質とカルマ/彫塑家・音楽家の眼で捉える人体理解/人体組織の変容の四段階/精神障害とどう関わるか/人体組織の不均衡
第三講
霊的体験の段階と病的様相/痛みを通して霊界へ/意識体験の経過/聖テレジアのエーテル体/カルマ的視点と病理的視点の調和/自由意志と責任
第四講
遺伝と個性/子どもの霊性と第二の身体/太陽と月からの働きかけ/宇宙の硬化と身体の自己更新/責任の所在―自由の原点としての無の地点
第五講
夢の証言―アストラル体の誘導/病的徴候の記述/記憶・意志・言語表現の変化/早熟/病理の反対像の現出/痴呆/誤った幼児教育/放浪癖と時代現象
第六講
治療におけるカルマの働き/病気は罪のせい、罪は病気のせい/F・ライムントの霊的境涯/不安のデーモンの病理とカルマ/霊的生活を事実に即して育てる
第七講
自然科学と霊学/呼吸過程の霊的メカニズム/覚醒と睡眠、息の違い/熱元素と光/呼吸の四重の分化過程/リンパ液と生成するカルマ―物質と霊性の結合
第八講
植物の本性―太陽及び月との関係/思考の強化と秘儀参入/太陽霊と呼吸/カルマの流入・流出/霊界の中の太陽の作用、月の作用/医学は人間と宇宙との親和関係に依拠する
第九講
眠りの中の病理の素/鉱物成分に薬効がある理由/夢遊病者の記述(病気の夢、治療薬の夢)/神殿の秘密―古代秘儀の治療法/医療の霊的洞察、儀式を通しての秘蹟執行/唯物主義という病い
第十講
医学と神学の使命―唯物主義を超えて/宇宙のリズムとプラトン年/呼吸のリズム/生と死のリズム/暑さと寒さのリズム/アントロポゾフィーへの道
第十一講
古代秘儀における芸術的治療法/教育と医療の結びつき/古代の医師の着眼/病気の快復を知るために/宗教治療とゴルゴタの秘儀/祭司の道、医師の道
教えることと生きること 全五講
第一講
自然科学の眼は魂に向かない/人間認識を経た「教育芸術」とは/教師は子どもの人生全体を担う/子どもの前に立つ教師の気質(胆汁質・粘液質・憂鬱質・多血質)/手本としてのおとな/日常を生活技術に変える「教育」
第二講
子どもの成長の三つの時期/一四世紀以前の宇宙観/感覚存在としての第一期の子ども/遺伝の働きvs個性の働き/教師の祭司的役割/霊的=魂的なものへの回帰/イメージとこころの教育/芸術家としての子ども
第三講
「読書」のあり方が示す教師と子ども/教師の使命と心構え/魂の彫塑活動/血液循環と呼吸の調和/音楽・朗唱の活用/エーテル的人間の彫塑的理解/音楽としてのアストラル体/言語の人体組織への働きかけ/宇宙認識から人間認識へ
第四講
「感動する力」/宇宙認識と叡智の教育/植物の生命の謎―ゲーテの洞察/植物と宇宙の関係/地球と植物の生長は一つ/宇宙の洞察―芸術的形象の認識/畏敬の念をもつ/古代の叡智を教育へ/人間の動物性としての証し/子どものこころに熱狂を
第五講
人間の本性を読む/教育を芸術行為に/子どもの宗教感情を目覚めさせる/道徳と自己教育/ヴァルドルフ学校の教育改革/霊的宇宙建設としての教育/人と人との結びつき
いまを生きる [講演]高橋 巖
編集後記 飯塚立人