序章
本書が目指すところ
西田研究に必要な基本的素養
本書の概要
先行研究について
本書の基本的姿勢
第一部 真言宗智山派と西田哲学
第一章 なぜ西田研究にとって真言宗智山派が重要なのか
初めに
一、西田研究のある種の難しさ
二、「悪戦苦闘のドッキュメント」とは
三、「新義真言宗智山派私立大学智山勧学院」
終わりに
第二章 那須政隆の真言教学との比較
初めに
一、那須政隆とその思想の概要
二、那須における西田の影響
三、栂尾祥雲との三者比較
四、近代に於いて一時的に存在した思想
五、西田が近代真言宗から学んだ可能性
終わりに
第三章 「場所」の論理と高神覚昇
初めに
一、野崎廣義と高神覚昇の略歴
二、共通して三者が追った問題
三、「仏に於て自己を見出す」と「場所」
四、胎蔵曼荼羅と「場所」
五、他の類似する思想
終わりに
第四章 「永遠の今」と「悲哀」
初めに
一、「永遠の今」をめぐる西田と高神
二、哲学の動機は人生の悲哀
終わりに
第五章 京都学派と智山学派
初めに
一、京都学派による西田像の問題
二、智山学派とは何か
終わりに
第五章補遺 野崎廣義論
初めに
一、野崎廣義の略歴
二、絶筆「懺悔としての哲学」
三、西田と共に考えた「A is A」
四、野崎の慧眼
五、西田の「養殖」
六、神秘主義への関心と高神
七、野崎が死の直前に悟ったもの
終わりに
第二部 「科学を考へ直す」
第六章 数学 密教から何が問えるか
初めに
一、西田の数学論の概要
二、矛盾的自己同一体と密教
三、「数学の哲学的基礎附け」の狙い
四、日本思想史上における西田の数学論
終わりに
第七章 物理学 西田哲学から湯川理論を導出する――中間子と素領域
初めに
一、湯川の思考の特徴
二、中間子と媒介者M
三、素領域と最小の「場所」――西田の円と湯川の「マル」
終わりに
第八章 経済学 働く人の哲学
初めに
一、予備的考察
二、働くことの意味
終わりに
第八章補遺 経済科学への批判
初めに
一、西田哲学と経済の親和性
二、従来の哲学に対して
三、経済学の科学性
終わりに
終章
本書の到達点と課題
西田哲学と日本的なるもの
現代に於ける西田哲学
あとがき
人名索引