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はじめての人におくる般若心経

著:横田 南嶺

紙版

内容紹介

類い希な実践知と専門知に支えられた、珠玉の『般若心経』講義。般若心経を貫く「空」の思想を、一千年の仏教の歴史も踏まえつつ、多彩で身近な切り口からやさしく説く。現代の生きづらさや苦しみにも寄り添い、「変わりゆく」ことの積極的な意味を伝える。

目次

まえがき
般若心経・著者筆
般若心経・全文

第1講 世界は変わる――無常·無我
 私が変われば世界が変わる/皆それぞれが違う世界に住んでいる/行いによって変化する/自分とはなにか/本体なるもののない世界――ヴァーチャル・リアリティ/無明を離れる/つくられるものはうつろいゆく/一剎那ごとの変化――諸行無常/柔軟に生きていく――諸法無我/私という現象/知ることによって救われる
第2講 とらわれない心――五蘊皆空
 空の解釈/空の積極的な意味/五蘊によって成る世界/すべては夢のごとくである/「電光影裏斬春風」/極端にかたよらない/波羅蜜の教え/言葉によって現れる世界/究極の慈悲――観自在菩薩/「五蘊の他には、全宇宙に何もない」/苦しみの正体――苦苦・壊苦・行苦/ひろく、ひろく――空の心
第3講 なにもない人の豊かさ――色即是空
 般若経典と空の思想/雨はどこに降っているのか/自分らしく生きるには/禅僧たちの生き様/トンネルを描く/砂浜に遊ぶ/煩悩の根っこ/馬車というものはない/空性を悟る智慧――般若波羅蜜/物質的現象を離れない/空っぽの身体/空の禅的解釈/「鏡に影の映るが如く」/「若葉にしたたる日の滴」
第4講 宇宙よりも広い心――是諸法空相
 暑さ寒さはどこにあるのか/謦咳に接する/苦悩を引きずらない/道理をみる/やがて消えゆくこの身体/あらゆるものは因縁生である――無自性・無去来/限定されないところ/あっても困らない、なくなっても苦しまない/現象の成り立ち――六根・十二処・十八界/鏡のようにきれいなもの/生命の始まり――鼓盆而歌/人生の様相――十二因縁/大きな仏心の一滴――心清浄
第5講 こころたのしく住まんかな――心無罣礙
 無常と永遠/分かる本、分かる話というけれど……/知ることもなく得るところもない/苦を見つめる/四種類の真理――四諦/苦しみを滅する道――八正道/自分のものとはいえない/四諦の否定/なにも分かっていない者にこそ伝わる/主格未分の地平/分けた世界に起こること/何も持たなくても/自分の内に光を差し向ける/湧いてくる慈しみ/さらさらと生きる
第6講 未明渾沌を歩む――真実不虚
 大いなる肯定/初期仏教から真言まで/すべてのものが満ちている世界/すべてはみな、生かされている/恐れを越えて/般若心経が導く究極――無罣礙/とてつもなく大きな世界/空中の声/玄奘の旅路――不東/玄奘の旅路――般若心経の伝承/いかようにも変わりゆく/空の道/まことの呼びかけ

あとがき

著者略歴

著:横田 南嶺
臨済宗円覚寺派管長。花園大学総長。
1964年、和歌山県新宮市に生まれる。大学在学中に東京白山・龍雲院の小池心叟老師に就いて出家得度。1987年、筑波大学を卒業、京都建仁寺の湊素堂老師のもとで修行。1991年より鎌倉・円覚寺の足立大進老師のもとで修行。1999年、円覚寺僧堂師家。2010年、円覚寺派管長。2017年、花園大学総長。2023年、公益財団法人 禅文化研究所所長に就任。
著書に『祈りの延命十句観音経』『禅と出会う』(ともに春秋社)、『十牛図に学ぶ――真の自己を尋ねて』(致知出版社)、『二度とない人生を生きるために』(PHP研究所)、『パンダはどこにいる?』(青幻舎)ほか多数。ラジオや講演会、円覚寺日曜説教など出演多数。また現在はYouTubeなどにて仏教や禅についての一口法話、ゲストを招いた対談、日々の「管長侍者日記」などを配信中。

ISBN:9784393142912
出版社:春秋社
判型:4-6
ページ数:272ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2024年01月
発売日:2024年01月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QRVA