目 次
プロローグ 9
第一章 田沼意次の重商政策
1 徳川吉宗の治政と海外交易 22
大御所政治と田沼意次 22/
長崎奉行による貿易の変革と日蘭貿易戦争 24/
吉宗死後の長崎貿易と薩摩藩 27
2 田沼意次がおこなった真の政治 30
税制改革と郡上一揆 30/希代のアーカイブ・紅葉山文庫 32/
田沼時代の始まり 34/賄賂にまみれた伊達重村の昇進工作 36
3 田沼の開国構想の始まり 41
オランダの動きと外洋船建造計画 41/ロシアの南下 44
第二章 田沼意次の時代を読む眼
1 田沼派の権力強化 48
株仲間奨励と予算制度の導入 48/
薩摩藩の密貿易と「ハンベンゴロウ事件」 51/
意次、老中となる 60/通貨政策 62/間接税導入 64
2 近代的な干拓事業と大運河建設 67
薬研堀と中洲の埋立 67/干拓の大計画と新たな舟運ルート 69/
田沼意次と平賀源内 74
3 予期せぬ幕閣の動き 78
松平定信、白河松平家の養子となる 78/
一橋豊千代と島津重豪の娘の婚礼 79
第三章 迫りくるオランダ・ロシアの開国要求
1 日本に迫る外国の脅威と幕府の動き 84
ロシア・オランダとの密貿易 84/
オランダ商館の苦悩と日本の対応 86/大納言徳川家基 91/
オランダの開国進言草案 95/ロシアの貿易交渉 98/幕閣の動向 101
2 開国を忌避する動きと家基の死 104
オランダの再度開国進言と家基の死 104/ロシア、再び通商交渉 107/
平賀源内の死の通説と謎 112/源内の死の真相 115/
工藤平助の国防策と蝦夷地調査隊 118/一橋豊千代、世継ぎに 123
3 初の国産外洋船へ 126
トレンペンバーグ号到着 126/ティチングと久世丹後守 130/
ティチングの来日と開国計画 133/三国丸 138
第四章 一橋治済の確信的大陰謀
1 幻の十一代将軍徳川家基の死 150
家基の死に関する文書 150/『森山孝盛日記』の見解 152/
『東海寺文書』の内容 157/民衆の受けとめ方とその他の史料 160/
「フェイトの日誌」から見えること 164/
『星月夜萬八実録』の記録 167/事件当日の動き 168/
東海寺・新井宿・御殿山 176/裏の人間関係 184/御庭番の存在 191/
村垣淡路守と川村壱岐守の出世 195/奥の人間関係 198
2 家基暗殺に至るその真相 203
暗殺と田沼の追い落し 203/一橋治済による粛清 206/
一橋家の家臣団 210
3 影の人物・一橋治済の野望とは 219
一橋治済と幕閣 219/家基死後の人事 221/
一橋家と島津家のつながり 226/一橋家家臣末吉利隆の動向 228/
後桃園天皇の死 221/天皇をめぐる人間関係 236/
天皇家と将軍家のつながり 238/一橋治済の意図 241
4 田沼意知・真の暗殺者 243
田沼意知の死の経緯 243/意知事件の状況 247/暗殺の動機 253/
陰謀説 256/意次と意知をめぐる情勢 264/暗殺の真相 269
第五章 田沼意次から松平定信へ──権力争奪戦
1 ティチングが見た田沼意次の失脚 280
相次ぐ幕閣の死 280/将軍家治の死と田沼の没落 281/
一橋治済の手紙 289/松平定信による田沼政策の否定 292/
田沼の経済政策とは何であったのか 294/
政権交代に対する知られざるオランダの反応 296
2 松平定信の反撃 300
定信の大老問題 300/尊号事件と大御所問題 302/定信と朝廷 307/
『寛政重修諸家譜』 309/定信の海防政策 311
3 黒幕・治済の策謀の終幕 318
一橋治済の狙い 318/定信と治済 319/定信の罷免 322/
定信後の幕政 326
エピローグ 329
田沼意次年表 333
徳川家基年表 336
参考文献 362