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ロジカルペアリング

レストランのためのドリンクペアリング講座

著:大越 基裕

紙版

内容紹介

ロジック=理論で合わせるペアリング・マニュアル
レストランにすっかり定着したドリンクペアリング。
スタッフの感覚やワインのストーリーに頼ったセレクトになりがちだが、「ロジック(=理論)で合わせる」ことを意識すると、より精度の高い組合せが可能になる。
本書ではペアリングの第一人者である著者が、五味を基本に、アルコール分やフレーバーなどドリンク特有の要素も加味して組み立てるペアリング方法を紹介。
実際のレストラン営業を前提に、誰もが論理的に最適解にたどり着ける手法を、イラストも豊富にわかりやすく解説する。
※月刊『専門料理』の好評連載に大幅に加筆してまとめたものです。

目次

ロジカルペアリングとは何か?


■Lesson 1 ロジカルペアリングを学んでいく

何よりも味わい重視のペアリング
ぺアリングにまつわる 5 つのポイント
1.味の組合せ効果
2.酒の味わいと世界観
3.広い意味では味わい=フレーバー
4.テクスチャーとヴォリューム感
5.「おいしい」を作るその他の要因
肉料理と味わい重視のペアリング
ペアリングでよく使う味の関係チャート


■Lesson 2 はじめの一歩は「重さ」から

料理の重さ、ドリンクの重さ
重さを揃える〜日本酒の場合〜
重さを揃える〜ワインの場合〜
column カレー風味のソースなら?
ペアリング作成における 5 つのテーマ
味わいの一体感〜同調のペアリング
味わいのコントラスト〜中和のペアリング


■Lesson 3 五味のペアリング

理想的かつ創造的なペアリング
五味の基本は「酸味の差し込み」
酸味の差し込みはどこにフォーカスすると効果的か?
ドリンクの甘・旨・塩・苦の活用法
五味の補完と同調
「五味の構成」の同調
「苦味」がおいしくなる条件
「苦×苦」のペアリングは不可能か?
「辛み」はペアリングで生かせるか
料理の辛みの楽しみ方
辛みの種類を見極める
ワサビとワイン


■Lesson 4 何より大事なフレーバー

まず見るべきは加熱か非加熱か
同調させるか、組み合わせるか
フレーバーでペアリングするなら?
香りの化学物質の不思議
化学物質から推察するフレーバーの相性
8 割がロジック、2 割は感覚
カクテルで考えるフレーバーのハーモニー
何にでも合う! 焼酎の使いどころ
Lesson 5 テクスチャーを深める
テクスチャーとは何か?
多岐にわたるドリンクのテクスチャー
ドリンクと料理の「ヴォリューム感」
テクスチャーにもう一歩踏み込む
温度とテクスチャー
テクスチャーを見極める
テクスチャーが「格」を決める
「柔らかい料理」とドリンク
テクスチャーをペアリングに生かすなら?


■Lesson 6 温度をコントロールする

「おいしい温度帯」を探す
ワインの持ち味を温度で引き出す
日本酒特有の、温度との付き合い方
Column 冬の熱燗はなぜ旨い?


■Lesson 7 日本酒とペアリング

蔵の数だけキャラクターがある
酒母の違いが個性を生む
麹でも味は変わる
ガス感のある日本酒
土地との結びつきを強める蔵
酒造好適米の追求
「熟成」という新しい可能性
生酛、山廃の使いどころ
生酛、山廃が使われる理由
乳製品との相性が抜群
旨味・甘味の重さに注意
Column 「モダン生酛」の世界
日本酒をペアリングに使うなら?
酒蔵ミニマップ


■Lesson 8 ナチュラルワイン

「今」の料理に合うナチュラルワイン
酸化と微生物汚染を止める亜硫酸
魚介料理とワインの相性
ナチュラルオレンジワインの「旨渋さ」
ナチュラルワインをペアリングに使うなら?
Column 「クリーンナチュラル」の可能性


■Lesson 9 テロワールとは何か?

ヨーロッパと新世界のワイン
果実の成熟とテロワール
テロワールと気候変動
暑い地域のブドウの酸味は、夜に失われる
新世界ワインとペアリング
冷涼地域のテロワール
冷涼地域産ワイン共通点は?
作り手の意図で広がる「ヴァリエーション」
テロワールで生まれる塩気
ワインの塩気の概念
ワインの塩気をペアリングに生かす
造り方も塩気の要因に


■Lesson 10 コースをどう組み立てる?

コース作りの基本
流れを調整する
適量を見定める
実践! コースのペアリング
Column 生春巻きと日本酒
鮨のコースとペアリング
鮨のペアリングの一つの回答
鮨店におすすめの 4 種のワイン


■Lesson 11 ノンアルコールペアリングの基本
料理に負けやすいノンアルコールドリンクのヴォリューム感
ヴォリューム感は補いたい、でも「甘味」は必要最低限に
旨味やフレーバーで下支え
ノンアルコールドリンク、味作りのヒント
フレーバーからイメージする
お茶は旨味と渋みのバランスで楽しむ
テクスチャーを作り込む
ペアリングならではの「一体感」を出す
ノンアルコールペアリングの実例


■Lesson 12 ペアリングに必要な、「味わい以外」のこと

コミュニケーションが何より大事
ペアリングを完成させるための一問一答
Q. サービスする時に大切なのは?
Q. サービススタッフにポイントをどう説明する?
Q. ペアリング上達の秘訣は?
Q. 価格の決め方は?
Q. 失敗しがちなことは?
Q. 食前酒をどう扱う?
Q. 用意しておくとよいものは?

おわりに
参考文献

著者略歴

著:大越 基裕
1976年北海道生まれ。バーテンダーとして飲食業界に入り、ソムリエを志し渡仏。帰国後ソムリエ資格を取得し、2001年より「銀座レカン」に勤務。2006年に再度渡仏、ブドウ栽培と醸造を3年間学ぶ。帰国後、「銀座レカン」シェフソムリエを経て2013年に独立。以来、ワインテスター/ソムリエとして、年間十数回の海外出張で世界各国のワイナリーやレストラン、また国内の蔵元を巡りながら、最新情報をもとに講演、サービス教育、執筆の各分野で活動する。2017年「Ăn Đi(アン ディ)」(東京・外苑前)を開業。2020年開業「Ăn Cơm(アン コム)」(同・広尾)と合わせて2店のモダンベトナム料理店を経営。現在は、ミシュラン三ツ星店からカジュアル店まで幅広いレストランでドリンクペアリングのコンサルティングを担当。ワインに加えて日本酒や焼酎などの国酒にも精通し、大手航空会社のドリンクアドバイザーやアンバサダー、国際品評会IWCインと日本酒の審査員などを務める。

ISBN:9784388063635
出版社:柴田書店
判型:B5
ページ数:128ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WBXD1
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:WBXN