G65
著:石川宏千花
紙版
内容紹介
「あなたにも、あるでしょう? あの長くて暗い時間」
自分の体に向き合いはじめたころに過ごす、
だれかに助けてもらいたくてしょうがない、
すべての女の子たちの、あの時間――――。
胸の大きな女の子――そのつらさは、なってみないとわからない。揺れ、重力、体に合わない服、好奇の視線、そして……。
ある事件に巻きこまれて、心に傷を負った14歳の貴和。叔母さんの家に身を寄せ、新しい学校でひっそりと目立たないように毎日を送っている。そんな貴和を、叔母さんや保健室の先生がそっと見守り、推しの女優の存在や、いつもそばにいる謎の「だれか」が支える。光の見えるほうへと、一歩ずつ進みはじめた貴和だったが――。
かつて少女だった大人たちのやさしさが、
成長の痛みと向きあう少女をあたたかくつつみこむ
著者会心の感動作。
目次
ペパ わたしは知っている
吉高貴和 だれかの気配
ペパ 長くて暗い時間
吉高貴和 理由がちがう
ペパ 巾着袋の中で
山田杏 あの防護服はもう
ペパ 悪い夢
吉高貴和 よくない癖
山田杏 声をあげて
ペパ 忌まわしい場所
吉高貴和 分解してみると
山田杏 逃避行
ペパ スクロール
吉高貴和 きょうもそばに