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メディア学大系 13

音声音響インタフェース実践

著:相川 清明
著:大淵 康成

紙版

内容紹介

【読者対象】
音の信号処理、分析、合成について学びたい学生。特に、ツール、アルゴリズムやプログラムを通して、原理を具体的に理解、習得したい学生。

【書籍の特徴】
「音声音響インタフェース実践」という一見演習の手引きのように思えるタイトルですが、実践を通して基礎理論の理解を深めることを目的としています。単に数式を用いて原理を解説するのではなく、具体的にコンピュータを用いてどのような演算をしたらよいのかを解説します。メディ学大系第4巻「マルチモーダルコミュニケーション」の中で、音のディジタル信号処理の理論を解説していますが、本書は、そこには記載できなかった信号の基礎理論とその具体的応用、及び信号処理を応用したインタフェースについて解説します。

【各章について】
1章は短い導入部で全体を概観しています。2章の信号処理の基礎理論では、特に具体的な数値を挙げて物理現象を実感できるように工夫しています。複素数を含む数式や演算の意味をわかりやすく解説するようにしています。本書では、エコーキャンセラのような高度の処理についても触れていますが、何をしたいのかから始まって、レベルの高い理論まで段階を追ってスムーズに導いています。ビームフォーマという特定の方向からの音を取り込む仕組みについては、難しい理論をわかりやすい図を多用して理解に結び付けています。ブラインド音源分離や独立成分分析など、最先端の信号処理技術をもそのしくみがわかりやすいように解説しました。さらに、音場制御や騒音の除去の側面からも基礎的な数式を用いながらも原理の理解に重点を置いた解説を行っています。
3章はパソコンで動作する信号処理ツールを用いてディジタル信号処理を実感できる構成としました。本書で用いているMATLABやScilabを利用すれば、簡単に音の入出力や生成加工ができます。さらに、なかなかイメージをつかみにくい複素関数の演算も簡単に行うことができます。これらのツールは描画能力にも優れているので、処理した結果を音だけでなく、さまざまな図に表現することができます。特にディジタルフィルタの演算や伝達関数の表示では、これらのツールは威力を発揮すします。
第4章はその他の音声音響処理用のツールと最先端の考え方の紹介です。特に、音響特徴の学習に基づく最近の音声認識や機械学習についてわかりやすく解説しており、最先端のディープラーニングにまで触れています。

【著者からのメッセージ】
本書は、段階を追って読まないと理解できないということはなく、どこから読み始めても良い構成となっています。第1章は各章への導入部なので、まず、それを読んでいただき、必要に応じて、各章に進んでいただくと良いと思われます。本書は実践を通して理論を理解するための書物であり、プログラムや演算を記載している部分では、なるべくプログラムや演算を実践しながら読み進んでいただけると幸いです。

ISBN:9784339027938
出版社:コロナ社
判型:A5
ページ数:224ページ
定価:2900円(本体)
発行年月日:2017年03月
発売日:2017年02月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TJK