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バイオインフォマティクスシリーズ 1

バイオインフォマティクスのための生命科学入門

監:浜田 道昭
著:福永 津嵩
著:岩切 淳一

紙版

内容紹介

【書籍の特徴】
・数理情報学分野の学生・技術者・研究者がバイオインフォマティクスを学ぶために必要な生命科学の基礎について,またそれら生命科学にバイオインフォマティクスが果たしている役割について解説しました。本シリーズのほかの巻を読む前に本書を一読すると,ほかの巻が扱っている生命科学的な内容について理解が深まります。
・生命科学になじみのない読者でもなるべく読みやすく,必要事項を理解できるよう,生命科学データ解析において特に頻出する事項に絞って解説しました。

【各章について】
1章:生命現象を分子的な観点から捉える分子生物学のセントラルドグマについて解説。特に,近年急速に進歩した技術である塩基配列決定技術を中心に,塩基配列ビッグデータがセントラルドグマの過程の解明に果たす役割を紹介しています。
2章:第1章で登場する生体分子が,実際に物理的にどのような構造をとるのか,そしてその構造がどのように生体的な機能と関係するのかについて,生物物理学的な観点を解説しています。
3章:遺伝子配列決定技術の急速な進歩を受けて,分野が変容しつつある進化遺伝学と微生物学について,その基礎とバイオインフォマティクスの果たす役割について解説しています。

【著者からのメッセージ】
生命科学を専門としていない方でも読む事ができる様,なるべくコンパクトに執筆しました。この本をきっかけにバイオインフォマティクス分野へ参入してくださる方が増えれば幸いです。

【キーワード】
分子生物学,セントラルドグマ,オミクスデータ,シーケンサー,ゲノム,エピゲノム,トランスクリプトーム,転写制御,転写後発現制御,プロテオーム,生体分子,高次構造,分子間相互作用,進化遺伝学,比較ゲノム,微生物学, メタゲノム

目次

1. 分子生物学のセントラルドグマとオミクスデータ
1.1 セントラルドグマの基礎
 1.1.1 DNAと複製
 1.1.2 RNAと転写
 1.1.3 タンパク質と翻訳
 1.1.4 セントラルドグマ
1.2 オミクスデータの測定技術
 1.2.1 DNA操作の一般的実験手法
 1.2.2 サンガー法
 1.2.3 第二世代塩基配列決定法
 1.2.4 第三世代塩基配列決定法
 1.2.5 RNAの配列決定と発現量推定
 1.2.6 質量分析法
1.3 ゲノムと遺伝子
 1.3.1 生体分子としてのゲノム
 1.3.2 配列データとしてのゲノム
 1.3.3 ゲノム配列の多様性と参照ゲノム配列
 1.3.4 遺伝子とアノテーション
 1.3.5 ゲノムサイズと遺伝子数
 1.3.6 ゲノム配列決定
 1.3.7 ゲノム編集
1.4 エピゲノムと転写制御
 1.4.1 転写因子
 1.4.2 クロマチン構造
 1.4.3 ヒストン修飾とヒストンバリアント
 1.4.4 DNAメチル化
 1.4.5 ゲノムインプリンティングとX染色体不活化
1.5 トランスクリプトームと転写後発現制御
 1.5.1 転写産物の種類
 1.5.2 選択的スプライシング
 1.5.3 新規転写産物の発見
 1.5.4 RNAの発現制御
 1.5.5 RNA修飾とエピトランスクリプトーム
1.6 プロテオームとタンパク質機能
 1.6.1 タンパク質の折り畳みと機能
 1.6.2 細胞内局在
 1.6.3 翻訳後修飾
 1.6.4 タンパク質の分類
1.7 データベースとオミクスデータ解析
 1.7.1 生命科学におけるデータベース
 1.7.2 ゲノムブラウザ-複数オミクスデータの可視化-
 1.7.3 生物ネットワーク解析
 1.7.4 遺伝子オントロジー解析
2. 生体分子の高次構造と分子間相互作用
2.1 生体分子の立体構造決定法と構造データ
2.2 生体分子に働く力・化学結合
 2.2.1 静電相互作用
 2.2.2 水素結合
 2.2.3 疎水性相互作用
 2.2.4 スタッキング相互作用
 2.2.5 ファンデルワールス力
2.3 生体分子の高次構造
 2.3.1 DNAの構造
 2.3.2 RNAの構造
 2.3.3 タンパク質の構造
2.4 分子間相互作用
 2.4.1 相互作用の特異性
 2.4.2 DNA-タンパク質相互作用
 2.4.3 RNA-タンパク質相互作用
 2.4.4 RNA-RNA相互作用
 2.4.5 タンパク質-タンパク質相互作用
 2.4.6 化合物-タンパク質相互作用
3. 進化遺伝学・微生物学のためのバイオインフォマティクス
3.1 進化遺伝学のバイオインフォマティクス
 3.1.1 進化遺伝学の基礎理論
 3.1.2 進化遺伝学研究におけるバイオインフォマティクスの重要性
 3.1.3 ゲノムに起こる小規模な変異
 3.1.4 ゲノムに生じる大規模な変異
 3.1.5 系統関係の表現法と系統分類学
3.2 微生物学のバイオインフォマティクス
 3.2.1 微生物学研究の重要性
 3.2.2 微生物学研究におけるゲノム情報解析の重要性
 3.2.3 微生物の系統分類
 3.2.4 微生物の構造的・生理的特徴
 3.2.5 ウイルス
 3.2.6 原核生物ゲノムの特徴とゲノムアノテーション
 3.2.7 微生物の比較ゲノム解析
 3.2.8 微生物の比較ゲノム解析の研究例-プロテオロドプシン保有微生物の生存戦略-
 3.2.9 メタゲノム解析
付録
引用・参考文献
索引

ISBN:9784339027310
出版社:コロナ社
判型:A5
ページ数:206ページ
定価:3100円(本体)
発行年月日:2022年08月
発売日:2022年07月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PSAK