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新しいマヤの文学

女であるだけで

著:ソル・ケー・モオ
解説:フェリペ・エルナンデス・デ・ラ・クルス
訳:吉田 栄人

紙版

内容紹介

ある日、夫フロレンシオを誤って殺してしまったオノリーナ。なぜ、彼女は夫を殺す運命を辿ったのか?

オノリーナの恩赦を取り付けようと奔走する弁護士デリアとの面会で、オノリーナが語った数々の回想から浮かび上がったのは、14歳で身売りされ突然始まった夫との貧しい生活、夫からの絶え間ない暴力、先住民への差別といった、おそろしく理不尽で困難な事実の数々だった……

史上初のマヤ語先住民女性作家として国際的脚光を浴びるソル・ケー・モオによる、「社会的正義」をテーマに、ツォツィル族先住民女性の夫殺しと恩赦を、法廷劇的手法で描いた、《世界文学》志向の新しいラテンアメリカ文学×フェミニズム小説。
解説=フェリペ・エルナンデス・デ・ラ・クルス


上野千鶴子、木村榮一推薦!!
「「女であるだけで」味わう絶望と希望」 上野千鶴子(社会学者)
「われわれが失って久しい世界」 木村榮一(神戸市外国語大学名誉教授)

著者略歴

著:ソル・ケー・モオ
小説家、通訳者。1974年、メキシコ合衆国ユカタン州カロットムル村に生まれる。ユカタン自治大学教育学部卒業後、メキシコ文化芸術基金(FONCA)のスカラシップを得て文学の勉強を始める。2012年には法学部に入り直し、人権に関する知識を養う。2018年に法学修士号を取得。主な小説に『テヤ、女の気持ち』(2008年)、『女であるだけで』(2015年、ネサワルコトヨル賞)、『太鼓の響き』(2011年)、『グデリア・フロール、死の夢』(2019年)など、また詩集には『ヴァギナの襞に書いた詩』(2014年)、『処女膜の嘆き』(2018年)、『神々の交接』(2019年)がある。2019年に『失われし足跡』(未刊)で南北アメリカ先住民文学賞を受賞。

ISBN:9784336065650
出版社:国書刊行会
判型:4-6変
ページ数:250ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2020年02月
発売日:2020年02月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB