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高橋秀+藤田桜 素敵なふたり

著:高橋 秀
著:藤田 桜

紙版

内容紹介

 ちょっと心がくすぐられる、生命感あふれる有機的なフォルムの作風で知られる高橋秀は広島県福山市で生まれ、1961年に安井賞を受賞する。いっぽう藤田桜は東京に生まれ、現在の大妻女子大学を卒業後、『ひまわり』の編集者として若き日を過ごす。
 やがて、ふたりは出会い、1958年に結婚、新居を世田谷の地とし、新生活をスタートさせるが、1960年代のはじめにはイタリアにわたり、2004年までの41年間、ローマを暮らしと制作の拠点とする。
 高橋は現代美術作家としてヨーロッパ各地、そして日本でも作品を発表し、藤田は布貼り絵という独特な表現で、子どもむけ図書の表紙絵や、絵本の制作を重ねる。帰国後、ふたりは岡山県倉敷市の沙美海岸にアトリエを構え、それぞれに作品の制作を続ける。
 東京、ローマ、倉敷の日々のなかで生み出された豊かな作品たちを、ふたりの歩みと、その創作の軌跡とともに紹介する。

目次

ごあいさつ(高橋 秀)
ごあいさつ(藤田 桜)

素敵なふたりを訪ねて 秀さん、桜さんにきく(聴き手 橋本善八)

高橋 秀の仕事

長い友情(瀬戸内寂聴)
秀・桜さんとの素敵な私的交流――ふたりの滞伊前後折々の余白にて(馬場駿吉)
高橋 秀、藤田 桜ご夫妻(黒住宗晴)
秀桜基金のことなど(酒井忠康)

藤田 桜の仕事

高橋 秀 世田谷での出会いと歩み(池尻豪介)
こどものともだち――藤田 桜の風景――(佐々木千恵)
藤田 桜の出発点、1940年代の出会い(藤巻和恵)
高橋 秀――北九州との関わり(清田幸枝)

高橋 秀 略年譜(谷藤史彦 編)
藤田 桜 略年譜(佐々木千恵 編)
高橋 秀 関連主要文献(谷藤史彦 編)
藤田 桜 関連主要文献(藤巻和恵 編)
藤田 桜 雑誌・本の仕事(藤巻和恵 編)
出品リスト

著者略歴

著:高橋 秀
1930年、現在の広島県福山市に生まれる。旧制中学校卒業後、美術家への道を心に決め、上京。武蔵野美術大学に籍をおくが、独学の道を選ぶ。1951年より画業に専念する。翌年に第20回独立美術協会展に入選。1958年、藤田桜と結婚。1961年に安井賞を受賞。しかし、日本画壇のありように懐疑をいだいた高橋は、1963年11月、イタリア政府招聘留学生としてローマに渡り、2004年に帰国するまで41年間にわたりイタリアで作家活動を行った。平面、立体、版画、モニュメントなど、幅広いジャンルを拓き、池田満寿夫監督の映画「エーゲ海に捧ぐ」では美術監督、スチール写真を担当した。
1993年、ローマ国立近代美術館で個展が開催された。イタリア各地で発表を重ねるかたわら、1996年から倉敷芸術科学大学教授に就任し、イタリアと日本を往復する生活を始める。
2004年に帰国後は岡山県倉敷市に居住し、秀art studioを創設、地域文化の発展にも尽力する。また2006年、妻とともに、若いアーティストに海外経験の場を与えるための秀桜基金を創設し、2015年までの10年間に28名を海外に送り出した。
著:藤田 桜
現在の東京都豊島区に生まれる。大妻女子専門学校(現・大妻女子大学)在学中より、中原淳一の服飾雑貨と洋裁の店・ヒマワリに足繁く通う。1946年、中原が主宰した少女向け月刊誌『ひまわり』に編集部員として参加。編集の仕事に加え、手芸やアクセサリー、人形作りの頁を担当。また仕事の傍ら、画家・猪熊弦一郎の田園調布純粋美術研究所に通い、デッサンなどを学ぶ。1950年、フリーとなり、少女・婦人雑誌、手芸誌、幼児絵本などに挿絵、創作人形、手芸、童画などを発表。1952年の創刊号から1989年まで、37年間にわたり布貼り絵によって学習研究社の月刊絵本『よいこのくに』の表紙をかざった。1958年、高橋秀と結婚。1964年、夫のイタリア留学に伴いローマへ渡る。以後イタリアから日本に作品を送り続け、夫とともに作家活動を続けた。1971年、最初の絵本『ぴのっきお』を出版。1975年、布地コラージュによる絵画制作をはじめ、ヨーロッパと日本の画廊で作品を発表する。2004年、帰国後は岡山県倉敷市に居住。ローマでの生活を綴ったエッセイを出版するほか、句集を編むなど、多彩な創造を続けている。

ISBN:9784336063618
出版社:国書刊行会
判型:B5変
ページ数:234ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2019年07月
発売日:2019年07月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1D