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AIがつなげる社会

AIネットワーク時代の法・政策

編:福田 雅樹
編:林 秀弥
編:成原 慧

紙版

内容紹介

 近年、人工知能(AI)をめぐる技術は急速に発展しつつあり、AIとAI、AIとロボットなどがネットワークを通じてつながることにより、その便益が飛躍的に高まりうる一方、様々なリスクも指摘されています。

 本書は、AIの発展による雇用環境の激変といった注目を集める論点から、AIにより日常的に情報収集が行われることによるプライバシーへの影響、AIを利用した選挙がもたらす民主主義への影響など統治機構に関する問題、さらにはAI・ロボットに関する権利や責任の分配まで、近未来の社会において生じ得るさまざまな問題を想定。来るべき社会に備えた法の役割や政策の課題を、将来の具体的なユースケースを想定したシナリオを示しつつ、第一線の執筆者たちが提言します。

 あらゆる分野の壁を越えた学際的議論が求められるいま、法律家はもちろん、倫理や哲学、さらには開発研究に携わる人など、AIとヒトとの共生を考えるすべての関係者に、必読の一冊です。

目次

第Ⅰ部 総論  
・「AIネットワーク化」およびそのガバナンス―「智連社会」に向けた法・政策の視座〔福田雅樹〕
・【座談会】AIネットワーク化がもたらす影響とリスク―シナリオ分析の意義〔板倉陽一郎・江間有沙・クロサカタツヤ・中西崇文・成原慧〕
第Ⅱ部  研究開発 
・AIの研究開発に関する原則・指針〔成原 慧〕
・【座談会】AI・ロボットの研究開発をめぐる倫理と法〔河島茂生・久木田水生・新保史生・高橋恒一・平野晋〕 
第Ⅲ部 データ・情報・知識の流通と利活用
・AIとビッグデータを見すえた今後の競争政策〔林 秀弥〕
・AIネットワーク化と知的財産権〔福井健策〕
第Ⅳ部 プライバシーとセキュリティ
・伝統的プライバシー理論へのインパクト〔石井夏生利〕
・AIの利用と個人情報保護制度における課題〔新保史生〕
・AIネットワーク社会におけるセキュリティの諸相〔板倉陽一郎〕
第Ⅴ部 AIネットワーク時代における社会の基本ルール
・AIネットワーク時代の製造物責任法〔平野 晋〕
・AIネットワーク時代の刑事法制〔深町晋也〕
・AIネットワークと政治参加・政策決定〔湯淺墾道〕
第Ⅵ部 AIネットワーク時代における人間
・AIと「個人の尊重」〔山本龍彦〕
・人格と責任―ヒトならざる人の問うもの〔大屋雄裕〕
・変わる雇用環境と労働法─2025年にタイムスリップしたら〔大内伸哉〕
【事項索引】

著者略歴

編:福田 雅樹
1970年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士後期課程修了。博士(学際情報学)。総務省情報通信政策研究所調査研究部長等を経て、現在、大阪大学大学院法学研究科教授。専門領域:情報通信法
編:林 秀弥
1975年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得認定退学。博士(法学)。現在、名古屋大学大学院法学研究科教授、電波監理審議会委員、日本学術会議連携会員。専門領域:経済法
編:成原 慧
1982年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程満期退学。現在、東京大学大学院情報学環客員研究員/総務省情報通信政策研究所主任研究官。専門領域:情報法

ISBN:9784335357121
出版社:弘文堂
判型:4-6
ページ数:404ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2017年11月
発売日:2017年11月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UD