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行政法研究双書 38

行政調査の法的統制

著:曽和 俊文

紙版

内容紹介

現代行政法学の重要テーマ、行政調査研究の決定版!

 行政行為論から行政過程論へと行政法学の重心が移行した1970年代以降、中心的テーマとなった行政調査のモノグラフィ。
 第1部は、アメリカの豊富な判例法理を、連邦取引委員会、内国歳入庁、労働安全衛生委員会の調査権などに即して検討。
第2部は、わが国における行政調査をめぐる判例・学説の動きを詳細に分析し、将来の行政調査のあり方を提言。
 情報を扱う行政過程という特質から、情報化社会の進展とともに、重要性がより増している行政調査について、30年に及ぶ研究をまとめた集大成。

目次

第1部:アメリカにおける行政調査の法的統制
 第1章 召喚令状による調査-連邦取引委員(FTC)の調査権を中心として
  はじめに
  第1節 FTC調査権の制度的特質
  第2節 行政調査権に関する憲法原理の転換
  第3節 個別事件調査の法的統制
  第4節 一般調査の法的統制
  第5節 行政調査の法的統制-総括と今後の課題
  おわりに

 第2章 立入調査
  第1節 行政上の立入検査と令状主義:1978年の二判決
  第2節 行政上の立入検査と行政手続の整備
  第3節 上空からの工場撮影と修正4条:1986年の一判決

 第3章 税務調査の法的統制-内国歳入庁(IRS)の調査権をめぐる諸問題
  はじめに
  第1節 IRS調査権制度
  第2節 反面調査をめぐる問題
  第3節 不当目的抗弁をめぐる問題
  おわりに

第2部 わが国における行政調査の法的統制
 第4章 行政調査論再考
  はじめに
  第1節 行政調査の概念・位置づけ
  第2節 調査対象たる私人の権利・利益と行政調査
  第3節 適切な調査を求める権利・利益と行政調査

 [補論1] 行政調査手続の整備

 [補論2] 刑事捜査と行政調査

 [補論3] 行政調査の瑕疵の効果

 第5章 税務調査の法的統制
  はじめに
  第1節 問題の分析枠組み
  第2節 判例・学説の展開と今後の課題
  第3節 調査裁量の法的統制
  おわりに

 第6章 行政法執行システムと行政調査
  はじめに
  第1節 消費者事故調査機関のあり方について
  第2節 悪質業者の規制と被害者の救済-行政の役割
  第3節 裁量型課徴金の導入と協調的法執行

【あとがき・事項索引・判例索引】

著者略歴

著:曽和 俊文
関西学院大学司法研究科教授(2019年2月現在)

ISBN:9784335315138
出版社:弘文堂
判型:A5
ページ数:420ページ
定価:5300円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年03月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LND