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巡礼の科学

聖なる旅が綾なす経験価値

著:南地 伸昭

紙版

内容紹介

多様な目的をもって聖地を訪れる現代の巡礼者が、そこに見出す価値を科学で紐解く。

今なお多くの人々を魅了してやまない、四国八十八ヶ所および西国三十三所巡礼――。日本を代表する二大聖地への巡礼を目的としたバスツアー参加者を対象に調査を実施。
ツーリズム産業によって商品化された巡礼ツーリズムでの様々な経験を通じて、彼らはいったいどのような価値を見出しているのか? 
こころの内側を捉える測定尺度モデルの開発により、巡礼という「経験が生み出す多彩な価値」の可視化を試みる。

目次

序章 巡礼の旅の経験が生み出す多彩な価値の源泉を求めて
    1 研究の視座
    2 本書の構成と概要

第Ⅰ部 巡礼とツーリズムの親和性から巡礼ツーリズムの誕生へ
 
 第1章 巡礼の聖と俗
    1 人はなぜ巡礼に赴くのか
    2 聖なるものとの出会いを求めて
    3 巡礼の旅の楽しみを求めて 
 
 第2章 ツーリズムの俗と聖
    1 人はなぜ旅に出かけるのか
    2 余暇・娯楽を求めて
    3 真正性を求めて
 
 第3章 巡礼とツーリズムの融合
    1 巡礼とツーリズムの親和性
    2 宗教の私事化と宗教資源の脱埋込化
    3 社会の個人化と個人のスピリチュアル化
    4 ツーリズム産業による巡礼ツーリズムの商品化
    

第Ⅱ部 巡礼ツーリズムの多彩な魅力を経験価値の観点から捉え直す

 第4章 日本の代表的な巡礼ツーリズムが有する多彩な魅力
    1 多様化・複合化する巡礼の目的
    2 巡礼ツーリズムの魅力
    3 主な巡礼ツーリズムに共通してみられる特徴
    4 誰もが気軽に経験できる現代の巡礼

 第5章 巡礼ツーリズムの経験価値
    1 経験消費される現代の巡礼
    2 経験価値とは何か
    3 巡礼ツーリズムをプロデュースするツーリズム産業
    4 経験価値モデルの観点からの巡礼ツーリズムの捉え直し
    5 経験価値モデルに基づく巡礼ツーリズムの価値次元

 第6章 巡礼ツーリズムの経験価値の可視化に向けて
    1 内面的かつ私的な経験価値の定量的捕捉のための手順
    2 経験価値の構成概念および測定項目の設定と質問紙調査の実施
    3 経験価値の測定尺度モデルの構築

第Ⅲ部 日本の代表的巡礼ツーリズムの経験価値を定量的に捕捉する

 第7章 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値の構成概念
    1 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値の源泉を求めて
    2 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値の価値次元の仮説的提示
    3 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値の構成概念の全体像

 第8章 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値のモデル実証
    1 構成概念検討のための質問紙の作成と調査
    2 巡礼ツーリズムの経験価値モデルの構築
    3 モデル実証の結果

 第9章 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値の構成概念
    1 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値の源泉を求めて
    2 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値の価値次元の仮説的提示
    3 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値の構成概念の全体像

 第10章 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値のモデル実証
    1 構成概念検討のための質問紙の作成と調査
    2 巡礼ツーリズムの経験価値モデルの構築
    3 モデル実証の結果

第Ⅳ部 総括と展望
 第11章 日本の代表的巡礼ツーリズムの経験価値の実相
    1 考察を通じて得られた発見事実
    2 理論的合意
    3 実践的合意
    4 さらなる巡礼ツーリズム研究に向けて

著者略歴

著:南地 伸昭
甲南大学経営学部特任教授(2024年1月現在)

ISBN:9784335161087
出版社:弘文堂
判型:A5
ページ数:252ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年02月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QRVJ