巡礼の科学
聖なる旅が綾なす経験価値
著:南地 伸昭
![巡礼の科学の商品画像](/img/books_icon/9784335161087.jpg)
内容紹介
多様な目的をもって聖地を訪れる現代の巡礼者が、そこに見出す価値を科学で紐解く。
今なお多くの人々を魅了してやまない、四国八十八ヶ所および西国三十三所巡礼――。日本を代表する二大聖地への巡礼を目的としたバスツアー参加者を対象に調査を実施。
ツーリズム産業によって商品化された巡礼ツーリズムでの様々な経験を通じて、彼らはいったいどのような価値を見出しているのか?
こころの内側を捉える測定尺度モデルの開発により、巡礼という「経験が生み出す多彩な価値」の可視化を試みる。
目次
序章 巡礼の旅の経験が生み出す多彩な価値の源泉を求めて
1 研究の視座
2 本書の構成と概要
第Ⅰ部 巡礼とツーリズムの親和性から巡礼ツーリズムの誕生へ
第1章 巡礼の聖と俗
1 人はなぜ巡礼に赴くのか
2 聖なるものとの出会いを求めて
3 巡礼の旅の楽しみを求めて
第2章 ツーリズムの俗と聖
1 人はなぜ旅に出かけるのか
2 余暇・娯楽を求めて
3 真正性を求めて
第3章 巡礼とツーリズムの融合
1 巡礼とツーリズムの親和性
2 宗教の私事化と宗教資源の脱埋込化
3 社会の個人化と個人のスピリチュアル化
4 ツーリズム産業による巡礼ツーリズムの商品化
第Ⅱ部 巡礼ツーリズムの多彩な魅力を経験価値の観点から捉え直す
第4章 日本の代表的な巡礼ツーリズムが有する多彩な魅力
1 多様化・複合化する巡礼の目的
2 巡礼ツーリズムの魅力
3 主な巡礼ツーリズムに共通してみられる特徴
4 誰もが気軽に経験できる現代の巡礼
第5章 巡礼ツーリズムの経験価値
1 経験消費される現代の巡礼
2 経験価値とは何か
3 巡礼ツーリズムをプロデュースするツーリズム産業
4 経験価値モデルの観点からの巡礼ツーリズムの捉え直し
5 経験価値モデルに基づく巡礼ツーリズムの価値次元
第6章 巡礼ツーリズムの経験価値の可視化に向けて
1 内面的かつ私的な経験価値の定量的捕捉のための手順
2 経験価値の構成概念および測定項目の設定と質問紙調査の実施
3 経験価値の測定尺度モデルの構築
第Ⅲ部 日本の代表的巡礼ツーリズムの経験価値を定量的に捕捉する
第7章 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値の構成概念
1 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値の源泉を求めて
2 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値の価値次元の仮説的提示
3 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値の構成概念の全体像
第8章 西国三十三所巡礼ツーリズムの経験価値のモデル実証
1 構成概念検討のための質問紙の作成と調査
2 巡礼ツーリズムの経験価値モデルの構築
3 モデル実証の結果
第9章 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値の構成概念
1 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値の源泉を求めて
2 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値の価値次元の仮説的提示
3 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値の構成概念の全体像
第10章 四国八十八ヶ所巡礼ツーリズムの経験価値のモデル実証
1 構成概念検討のための質問紙の作成と調査
2 巡礼ツーリズムの経験価値モデルの構築
3 モデル実証の結果
第Ⅳ部 総括と展望
第11章 日本の代表的巡礼ツーリズムの経験価値の実相
1 考察を通じて得られた発見事実
2 理論的合意
3 実践的合意
4 さらなる巡礼ツーリズム研究に向けて