序にかえて
第Ⅰ部
メアリー一世とエリザベス一世――十六世紀イングランドの光と影[小田原謠子]
1 ヘンリー八世と宗教改革
2 ポートレート
3 プリンセス・メアリー
4 レディ・ジェイン・グレイ
5 メアリー一世として
6 エリザベス一世
富と貧困、消費と奴隷――十八世紀イングランドの光と闇[大石和欣]
1 社交と破産、消費と貧困
2 火事と暴動があぶりだしたぜいたく品
3 海外覇権伸張の悲喜劇
4 活発化する市場と消費文化
5 乱れる風紀と風俗改善運動
6 貧困と救貧制度の問題
7 奴隷貿易の陰影
8 罪な消費活動
9 消費活動としての奴隷貿易廃止運動
10 新たな光と陰
十九世紀ロシア貴族のヨーロッパ・コンプレックス――『アンナ・カレーニナ』に登場する旅行者たちを例に[木村崇]
はじめに
1 ロシア人のまなざしのなかのヨーロッパ
2 異文化空間での民族的対人イメージ形成プロセス
3 ロシア人はヨーロッパで何を探し求めていたのか?
4 ヨーロッパにおけるロシア人交際会の自然発生的形成
5 望郷のロシア
おわりに
『無口な女』と『コラボレーション』――沈黙のエラボレーション[服部厚子]
はじめに
1 ジョンソンの『無口な女』
2 喜歌劇『無口な女』
3 回想される『無口な女』事件
4 『コラボレーション』と沈黙
マサラ系オースティン映画『エウレカ・エウレカ』による脱植民地化[玉崎紫]
はじめに
1 『分別と多感』と『エウレカ・エウレカ』
2 経済問題の現代インド的翻案
3 資本主義の描出
4 自己啓示と継承拒否
5 帝国主義的構造の批判
おわりに
近代はざまの「完璧な一日」[栂正行]
1 近代表象としての道
2 種村季弘の編む近代
3 天と地と人の区分
4 時間表現という入り口
5 時計がわりになる人々
6 植草甚一の「モダンな通り」での時間配分
7 時間のキーワード、キーセンテンス
8 やはり荷風
9 自伝的小説に見られる時代区分感覚の萌芽
10 空間論のなかの時代と時間
11 事件の現場へ
12 聴きなれぬ歴史の挿入
13 相手の確認
14 戻る
15 道でたどる完璧な一日の記憶
ヨーロッパモデルの死と再生[安藤隆之]
1 近代芸術の光と影
2 ヨーロッパ詣であるいは師夷の徒
3 戦後体制の崩壊と新時代の登場あるいは歴史の終焉と空間の拡大
4 熱源としての〈我〉われ
5 『ベレニス』における〈我〉われ
6 ティテュス的選択の歴史的意味
第Ⅱ部
桜は咲き桜は散る――基督教伝来史断片あるいは芥川龍之介論序説[原國人]
はじめに
1 和魂洋才の系譜
2 本地垂迹的世界
3 桜は咲き桜は散る
おわりに
「人生裏面觀」の基軸――ラ・ロシュフーコーに見る日本古典文学的要素[原由来恵]
はじめに
1 Maximes(『箴言集』)の享受
2 作品生成の場と表現方法
3 作品コードと読み手
おわりに
作品相互の対話と文化移入――森鴎外作「うたかたの記」と円地文子作「新うたかたの記」[酒井敏・増田祐希]
はじめに
1 「うたかたの記」からの離陸
2 より豊かなルードヴィヒ二世像を求めて
3 夢幻能「新うたかたの記」
4 作品相互の対話をめぐって―結びに代えて
あとがき