第1章 最初に宇宙を感じたとき
1.1 ナイルの太陽と黄河の月
1.2 メソポタミアの砂漠の星々
第2章 世界の中心は川崎なのか?:宇宙の中心の探求
2.1 ギリシアの哲学者たち
2.2 天動説:宇宙の中心は地球か?
2.3 ヒッパルコスの悩み:周転円と離心円
2.4 天動説の完成:プトレマイオスの理論
2.5 コペルニクスの地動説:パラダイムシフト
2.6 ティコ・ブラーエ:肉眼観測の最高峰
2.7 ケプラーの定量的研究:占星術と科学のあいだ
2.8 ケプラーの3つの法則:火星が教えてくれた真の宇宙の姿
2.9 ケプラーの第3法則:占星術的執着心の到達点
2.10 ガリレオ:望遠鏡と地動説と宗教裁判
2.11 ニュートン:地動説の静かな勝利
2.12 ハーシェル:銀河系の発見
2.13 ハッブルの最初の成果:島宇宙か否か?
第3章 アインシュタインの誤り:膨張する宇宙
3.1 ハッブルのもう1つの発見:宇宙の膨張
3.2 光のスペクトル
3.3 ドップラー効果
3.4 ハッブルの法則
3.5 ビッグバン:宇宙には始まりがあること
3.6 加速膨張する宇宙:アインシュタインの誤りは誤りではなかったのか?
第4章 はじめに光ありき:光る宇宙
4.1 ビッグバンの宇宙へ遡る
4.2 光とは何か?:現象論のところまで
4.3 ニュートンの光学研究:プリズムによる光のスペクトル分解
4.4 光は波か,それとも粒子か?
4.5 粒子と波動の物理的な違い:干渉の有無
4.6 ヤングの干渉実験
4.7 光波を伝える媒質:電磁場の発見
4.8 光の速さ
4.9 光電効果:光は再び粒子に
4.10 波は粒子で,粒子は波で...:最後の結論
4.11 宇宙の温度と光る宇宙
4.12 宇宙背景輻射:膨張宇宙の実証
第5章 光から素粒子をつくる: 物質の創成
5.1 素粒子の種類(電子の発見)
5.2 相対性理論:質量エネルギー
5.3 量子力学の完成
5.4 反電子:相対論的量子力学
5.5 光子による電子反電子の対生成と対消滅
5.6 光子から素粒子をつくる
5.7 光の世界から物質の世界へ: 消えた反物質
5.8 物質の三分間クッキング
第6章 複合粒子でつくる宇宙:原子と原子核
6.1 原子と原子核
6.2 統計力学の考え方:平衡と温度
6.3 原子の存在が認められるまで:ボルツマンの悲劇
6.4 放射能と放射線の発見
6.5 原子核の発見
6.6 原子=原子核+電子:ボーアの水素原子模型
6.7 中性子の発見
6.8 同位体:セシウム134とセシウム137の違い
6.9 核力:湯川秀樹の理論
第7章 3分より後の宇宙:のびたカップラーメンが見る宇宙
7.1 重水素からα粒子まで:宇宙で最初の核融合
7.2 原子の形成:宇宙の晴れ上がり
7.3 晴れ上がりの後:物質と重力の時代
第8章 宇宙の歴史とともに生きること
8.1 宇宙という遺跡に隠された書物
8.2 さらなる遺跡の探検に向けて
参考文献
索引
著者略歴
1969年生まれ.
専修大学法学部准教授.専門分野理論物理学.
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻.博士(理学).