はじめに
Ⅰ 聴く──Jポップの時代の音楽聴取
第一章 日本の洋楽受容と音楽のJポップ化──私たちは「アメリカの影」から逃れられるのか
1 洋楽受容の臨界点としての一九八〇年代
2 貧しさを払拭したポップ
3 「アメリカの影」問題
4 ロックのメディア的変容
5 Jポップの憂鬱
補論1 一九九〇年代の音楽文化とメディア──リスナーの聴取環境の変化に着目して
1 生放送の威光の減退
2 消えたお茶の間のゆくえ
3 テレビ的な流行へのオルタナティブ
4 音楽と豊かに付き合える時代へ
補論2 CD不況とJポップの定着──スピッツのキャリアから考える音楽文化の転換点
1 スピッツはどうやって人びとに知られていったか
2 スピッツはどうやってCD不況を生き抜いたか
3 スピッツはどうして長く愛されつづけるのか
第二章 Jポップの三〇年──青少年研究会調査を用いた計量分析
1 Jポップの時代の価値意識をめぐって
2 音楽消費の変化の概観
3 二つの音楽意識──舶来信仰と卓越感覚
4 ジャンルの好みと舶来信仰
5 ジャンルの好みと卓越感覚
6 まとめと考察
第三章 音楽聴取の雑食性──若者の音楽の好みはどのようにとらえられるか
1 雑食性の時代
2 雑食性のタイプ
3 雑食性のちがい
4 雑食性のゆくえ
Ⅱ 遊ぶ──ビデオゲームの社会的な浸透
第四章 ビデオゲームと遊びの変容──「ファミコン」が整備した遊びの滑走路
1 ビデオゲームとはなにか
2 ビデオゲームのメディア特性
3 ビデオゲームの遊び
4 遊びの変容
第五章 ゲーム悪玉論の構図151──ゲームはなぜ敵視されつづけるのか
1 悪玉論の生成
2 悪玉論の定着
3 悪玉論の補強
4 悪玉論の反復
第六章 格闘ゲームの文化的コミュニティ──格闘ゲームは格闘技となにが異なるのか
1 eスポーツの前史としての格ゲー文化
2 格闘ゲームの波
3 格闘ゲーマーへの道
4 ゲームの世界の再構造化
第七章 eスポーツと身体感覚──eスポーツはどこまでスポーツといえるのか
1 eスポーツはスポーツなのか
2 遊びとはなにか
3 スポーツとはなにか
4 身体とはなにか
5 身体感覚の拡張
Ⅲ 愛でる──恋愛的な感情と消費社会
第八章 なぜキャラクターに萌えるのか──ポスト真実の時代の文化消費
1 キャラクターを愛でる態度
2 作品を消費する作法
3 キャラクターに萌える過程
4 現実を選びとる時代
第九章 恋をするのに人間は必要か──恋愛ゲームからAIコンパニオンまで
1 コンピュータで理想をかなえる
2 ゲームで恋愛を楽しむ
3 フィクションとリアルの融合
4 現実の恋愛とのちがい
5 ゲームからAIへ
第一〇章 ホストというキャラクターの消費──恋愛の商売化をめぐる一考察
1 恋愛の商売化をめぐって
2 上演舞台としてのホストクラブ
3 キャラクター商品としてのホスト
4 理想の男性像を演じること
Ⅳ 移動する──便利で快適な生活環境
第一一章 固定電話からスマートフォンへ──場所感覚の喪失と創出
1 モバイル社会への前奏
2 場所からの解放
3 電話からの解放
4 居場所感の創出
第一二章 モバイルゲームのプレイ体験──オンラインゲームの大衆化をめぐって
1 ゲーム体験の構造変化
2 モバイルゲームの胎動
3 スマホ世代のゲーム体験
4 絶え間なき育成の時代
第一三章 人はなぜショッピングモールに行くのか──「箱庭都市」の包容力
1 都市生活者のオアシス
2 屋内に都市をつくる
3 開発者と遊歩者の論理
4 寛容な雰囲気を買いに行く
おわりに
あとがき
初出一覧
参考文献
索引